「2026 FIFAワールドカップ(以下、W杯)」の裏側で炎上が止まらないのが、全試合を配信する「DAZN」です。料金プランを巡る騒動はひと段落しましたが、次の罠として「退会」に関する特殊ルールが待ち受けています。

本記事では、W杯目当てで新規入会した契約者が注意するべき「30日前退会通知期間」の仕組みと退会手続きをするべきタイミングを解説します。

1. DAZNの炎上はなぜ起こった?

まずは、DAZNの今回の炎上の詳細をおさらいしておきましょう。

問題の発端となったのは、新規加入者を対象に実施している「DAZN Standard」の月額プランが半額以下になる「FIFAワールドカップ2026応援放題!キャンペーン」です。

1/5

出所:DAZN

出所:DAZN

地上波でのテレビ放送はあるものの、インターネットで全104試合をライブ配信するのはDAZNだけということもあり、大きな注目を集めましたが、想定していなかった不利益を被るユーザーが続出し、批判の声が高まりました。

具体的には、キャンペーン対象の「DAZN Standard」よりお得な「DAZN Soccer」という別のプランが料金表に横並びで表示され、こちらを選択するユーザーが相次いだのですが、該当プランは「年間プラン」のみという内容のものでした。

たしかによく見ると料金表の中に「年間プラン(月々払い)」という記載があるのですが、太文字の月額料金「980円」が目立つこともあり、多くのユーザーが誤認識したまま、サービスを契約。想定をはるかに上回る2万円以上の支払い義務が発生してしまいました。

問題となったDAZNの料金表(現在「サッカー」は削除済み)2/5

問題となったDAZNの料金表(現在「サッカー」は削除済み)

出所:DAZN

当然、サポート窓口に契約解除や変更を求めるユーザーが殺到しましたが、「原則対応できない」という返答や定型文の回答しかできないAIチャットの仕様なども相まって、騒動の火に油を注ぐことになりました。

2. 6月18日に該当サービスの新規受付を停止

DAZNは本問題を重く受け止め、6月13日に1回目のお詫びと対応を発表しましたが、救済内容や小手先のUI変更に不満の声が上がり、6月18日に再度内容を見直した対応を発表することになりました。

6月18日に発表された対応と救済措置は以下の通りです。

  • 「DAZN Soccer」の新規受付を停止
  • 「DAZN Soccer」の解約を希望する場合は、即日解約の上で直近の月額利用料金を返金
  • 「DAZN Standard」月額プランへの変更を希望する場合は、「DAZN Soccer」の未利用相当分を日割りで精算し、DAZN Standard初月のキャンペーン料金(1980円)から差し引いた金額を支払い

年間プランで固定されていた「サッカー」プランの新規受付を停止3/5

年間プランで固定されていた「サッカー」プランの新規受付を停止

出所:DAZN

当初は「W杯キャンペーンの期間中に新規加入した契約者」が対象でしたが、2回目のお詫びでは「DAZN Soccerのすべての契約者」と範囲が広がっているのがポイントです。

注意したいのは、受付期限が【2026年6月30日(火)23時59分】までと設定されていることです。あまり猶予がないので、該当する方は今すぐにでもリクエストフォームから手続きすることをおすすめします。

3. 「DAZN Standard」契約者が気をつけるべき「退会のタイミング」

先の騒動に関して該当するのは「DAZN Soccer」の契約者ですが、「DAZN Standard」を契約した人も対岸の火事ではありません。

なぜならば、DAZNの退会には「30日前退会通知期間(以降、30日前ルール)」という特殊ルールがあるからです。

これは月間プランの場合に発生するルールで、「解約手続きをした日から30日間は料金が発生し続ける」というものです。

ジムや習い事などリアルな月額サービスではよく見かけますが、デジタルコンテンツのサブスクで採用しているのはレアなので、規約から見落としている方も多いでしょう。

4/5

出所:DAZN

出所:DAZN

W杯開幕日に入会した場合を例にすると、以下のようなイメージです。

  • 契約日:6月12日(W杯の開幕日)
  • 退会手続きした日:7月20日(決勝終了直後)
  • 正式な退会日:8月19日(手続きの30日後)

つまり、2ヵ月の契約を想定していたのに、正式な退会日は8月19日となるため、2ヵ月目の月額料金が満額発生するだけでなく、3ヵ月目の日割り料金まで追加で請求されてしまいます。

従来のユーザーからも評判の悪い仕様ですが、W杯閉幕時には認知していなかったユーザーからの不満が爆発することは十分に考えられます。

4. いつ退会手続きを行うのがベスト?

それでは、退会手続きはいつ行うのがベストなのでしょうか。

結論としては「W杯だけのために新規入会した」という方であれば、「今すぐ」に退会手続きを行うべきです。

記事執筆時点の6月24日に退会手続きを行えば、退会が完了するのは「7月24日」。W杯期間はすでに終了しているため、支障はないはずです。

筆者は6月21日に退会手続きを行ったところ、「お客様のご契約は2026年7月21日で終了いたします」と表示された5/5

筆者は6月21日に退会手続きを行ったところ、「お客様のご契約は2026年7月21日で終了いたします」と表示された

筆者撮影

6月12日のW杯開幕日に契約して、6月24日に退会手続きを行った場合の支払いイメージは以下となります。

  • 6月12日~7月12日の月額料金:1980円
  • 7月13~24日(12日間)の日割料金:792円
  • 合計:2772円

退会手続きのタイミングが遅くなれば、その分、日割料金が積みあがっていくことになるため、「こんなはずでは…」とならないように、注意が必要です。

30日前ルールもDAZN Soccerと同じく「記載あるけれど、分かりにくい」部類の規約です。DAZN Soccerよりも金額のインパクトは小さく、悪質とまでは言えませんが、DAZNに不慣れなユーザーからは不満の声が少なからず出るはずです。

DAZNとして「できるだけサービスの契約期間を伸ばしたい」という狙いがあるのは理解できますが、先般の炎上を考慮すると、今は信頼回復が最優先。先回りしたユーザーファーストのアナウンスがあるのかどうか、注目したいところです。

参考資料

大蔵 大輔