1. 遺族厚生年金の制度の見直しが行われる背景

遺族厚生年金の見直しが検討される背景には、日本社会における働き方や家族の形の変化が挙げられます。

現行の遺族厚生年金制度は、夫が主な働き手で妻が専業主婦という家庭が一般的だった時代に作成されたものです。そのため、夫を亡くした妻への保障は手厚い一方で、妻を亡くした夫への保障は限定的とされ、男女によって受給条件に差がありました。

しかし近年は共働き世帯が増加し、女性の就業率も大きく上昇しています。実際には夫婦ともに収入を得ている家庭が一般的になり、「男性が働き、女性が扶養される」という前提が現状にそぐわなくなってきました。

こうした状況を踏まえ、政府は性別による差を解消し、男女ともに公平な制度へ見直す方針を示すことになりました。

今回の改正は、給付削減の面が大きく取り立てられることが多いですが、遺族の生活再建をサポートしつつ、現代のライフスタイルに適した年金制度へ移行することが目的とされています。