今日から7月。2026年もあっという間に1年の半分が経過しました。「今年こそ貯蓄を頑張るぞ!」と決意したものの、思うように貯まっていない…と焦る方もいるかもしれません。
特におひとりさまは、周りの人がどれくらい貯めているのか気になりますよね。2025年12月に公表された最新調査では、単身世帯の貯蓄額は「平均値919万円・中央値130万円」という結果が出ています。
今回は、お金の知識がゼロの方にもわかりやすく、年代別のリアルな貯蓄額を解説します。2026年の後半戦に向けて、資産形成の一歩を踏み出してみましょう。
1. 【中央値130万円】おひとりさまの貯蓄のリアル「全体平均919万円」とのギャップに注意!
1.1 全体の平均と中央値
J-FLEC「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]2025年」によれば、単身世帯(金融資産非保有層を含む全体)の貯蓄額は次のとおりです。
- 平均値:919万円
- 中央値:130万円
前年2024年調査の平均989万円・中央値100万円と比べると、平均値は70万円減少した一方、中央値は30万円増加しました。
「平均は下がったが中央値は上がった」という方向性は、高額保有者の資産増加ペースが鈍化した一方で、中位層の積み立てが着実に進んでいる状況を示しています。
1.2 金融資産を保有している世帯だけで見ると
金融資産非保有世帯を除き、「実際に何らかの金融資産を持っている世帯」だけで集計した場合の数字も確認します。
- 平均値:1329万円
- 中央値:450万円
全体平均919万円と比べると、保有世帯だけに絞ると平均は1329万円まで跳ね上がります。
この差は、全体の30.1%を占める非保有世帯が引き下げている分です。中央値も全体130万円に対して保有世帯では450万円と大きな差があります。
どの集計軸で見るかによって「おひとりさまの貯蓄の実態」は大きく変わります。
2. 【20歳〜70歳代】あなたの年代の「中央値」はいくら?おひとりさまの年代別貯蓄額
2.1 年代別データ(非保有含む全体)
J-FLECの調査では、年代別の貯蓄額平均値と中央値も公表されています。いずれも金融資産非保有世帯を含む全体の数字です。調査結果は以下の通りです。
【単身世帯の年代別貯蓄額】
- 20代:平均255万円・中央値37万円・非保有率33.2%
- 30代:平均501万円・中央値100万円・非保有率32.3%
- 40代:平均859万円・中央値100万円・非保有率32.1%
- 50代:平均999万円・中央値120万円・非保有率35.2%
- 60代:平均1364万円・中央値300万円・非保有率30.4%
- 70代:平均1489万円・中央値500万円・非保有率20.4%
年代が上がるほど、平均も中央値も増えていきます。ただし、平均と中央値の差は世代によって大きく異なります。たとえば50代は平均999万円に対し、中央値は120万円で、差額は約880万円にもなります。一部の高額保有者が平均を押し上げているため、おひとりさまの実態に近いのは中央値です。
2.2 中央値に注目して読む
中央値を年代別に追うと、おひとりさまの貯蓄が本格的に積み上がるタイミングが分かります。
20〜40代の中央値は37万円〜100万円にとどまります。とくに30代と40代は、平均こそ501万円から859万円へ倍近く伸びるのに対し、中央値はどちらも100万円で横ばいです。この10年間で資産を大きく増やせるのは一部の人だけで、多くの人の貯蓄はほぼ変わっていません。
潮目が変わるのは50代以降です。中央値は60代で300万円、70代で500万円と急増します。退職金や相続、長年の積み立てが反映される時期だからです。
自分の貯蓄が同年代の真ん中と比べてどの位置にあるか知りたい人は、平均ではなく中央値を目安にしてみてください。
3. 【50歳代3人に1人が貯蓄ゼロ】貯まる人・貯まらない人「何が違う?」
3.1 貯蓄ゼロは3人に1人、50代がもっとも多い
2025年調査では、単身世帯の30.1%が「金融資産を保有していない」と回答しました。前年の32.8%からは改善しているものの、おひとりさまの約3人に1人が貯蓄ゼロという状況は続いています。
最も高いのは50代の35.2%です。本来であれば退職前の最終貯蓄期にあたりますが、収入が増える時期にもかかわらず約3人に1人が貯蓄ゼロという結果です。
3.2 貯蓄を持つ人と持たない人を分ける「家計の仕組み化」
貯蓄を持つ人と持たない人の違いは、収入額そのものよりも「家計の仕組み化」にあります。
J-FLECの調査では、生活設計を立てている単身世帯は28.2%にとどまります。さらに生活設計を持つ世帯のうち、資金計画まで作成しているのは59.3%です。
家計の見える化ができている人と、漠然と支出している人とで、貯蓄の積み上がり方は分かれていきます。
貯蓄を持つ人は「給与日に自動で別口座へ移す」「毎月の上限を決める」など、意思の力に頼らない仕組みで先に貯蓄を確保しています。一方、貯蓄ゼロ世帯は「余ったら貯める」という後回しの発想に陥りがちです。
おひとりさまは世帯収入が単一で、支出が一度収入を上回っても家族の収入で補えません。だからこそ、給与口座から毎月一定額を別口座へ自動で移す「先取り貯蓄」を仕組み化することが、貯蓄を持つ人と持たない人を分ける最大のポイントです。
3.3 老後の家計不足額との関係
貯蓄と老後の収支は密接に関わっています。総務省「家計調査年報 2024年(令和6年)」によると、高齢無職の単身世帯の月次収支は次のとおりでした。
- 実収入:13万1456円
- 可処分所得(実収入から税金・社会保険料を差し引いた金額):11万8465円
- 消費支出:14万8445円
可処分所得と消費支出の差は約2万9980円で、毎月この赤字を貯蓄から取り崩している計算です。年間では約35万9760円の取り崩しになります。
老後の主な収入は公的年金です。厚生労働省「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(国民年金部分含む)の平均月額は15万0289円、国民年金(老齢基礎年金)の平均月額は5万9310円でした。
国民年金のみで年金以外に収入がない場合、月の受取額は約5万9310円です。
消費支出14万8445円との差は約9万円弱となり、この不足が20年続けば総額約2160万円の取り崩しが必要になります。一方、厚生年金の平均月額15万289円であれば消費支出との差は月約1800円と大幅に縮まります。
おひとりさまの老後資金計画は、まず自分が厚生年金加入者か国民年金のみかを確認することから始まります。そのうえで、必要貯蓄額を逆算しましょう。
4. まとめにかえて
おひとりさまの貯蓄額は全体平均919万円・中央値130万円でした。年代別に見ると20〜40代の中央値は37万円〜100万円にとどまり、50代以降で格差が広がります。単身世帯の30.1%は貯蓄ゼロで、約3人に1人が老後の備えがない状況です。
まず「ねんきんネット」で自分の年金見込額を確認し、老後の収支をシミュレーションしてみてください。毎月の不足額が見えたら、新NISAやiDeCoを活用した積み立てを検討しましょう。
iDeCoは掛金が全額所得控除になるため、節税しながら老後資産を増やせます。運用結果の試算は、金融庁「資産運用シミュレーター」で積立額・年率・期間を入力して確認できます。
おひとりさまは収入が1本のため、急な出費で貯蓄がゼロになるリスクも二人以上世帯より高くなります。まず3〜6カ月分の生活費を緊急予備資金として別口座に確保し、その後で老後に向けた長期積み立てに移行するのが基本の順番です。
自分の貯蓄状況と年金見込額を確認し、老後資金づくりの第一歩を踏み出してください。
参考資料
苛原 寛