5. 「年金が増えた=手取りが増える」とは限らない
令和8年度の年金増額改定は、長年の物価上昇を反映した改定ではあります。
しかし、非課税ラインをわずかに上回るだけで、介護保険料・住民税・医療保険料といった複数の負担が一気に増え、実質的な手取りが減ってしまうケースがあることは知っておきたいところです。
今回の例(東京都港区・公的年金のみの65歳単身世帯)では、年金増加額を介護保険料の増加分だけで上回るという結果になりました。これはあくまで一つの例であり、住んでいる市区町村や家族構成、その他の所得の有無によって結果は大きく変わります。
自分の年金収入が住民税の非課税ラインとどれくらい離れているかを確認し、今後の負担変化を把握しておくことが、シニア世代のマネープランを考えるうえで欠かせない視点といえるでしょう。
参考資料
- 日本年金機構「令和8年度の年金額改定について」
- 東京都港区「住民税の非課税基準について」
- 厚生労働省老健局「介護保険制度の概要 令和7年7月」
- 厚生労働省「第9期計画期間における介護保険の第1号保険料について」
- 国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」
- 港区「介護保険の保険料」
和田 直子