2026年6月15日の年金支給分から、2026年度の改定後の年金額が反映されます。
年金額は増額となったものの、実際の振込額は税金や社会保険料が差し引かれるため、額面だけでは老後の家計を判断しにくい面があります。
本記事では、標準的な夫婦世帯の年金額や、月30万円以上を受け取る人の割合を確認しながら、年金振込通知書で見ておきたいポイントも整理します。
1. この記事のポイント
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2026年度年金額は国民1.9%・厚生2.0%増で、標準的な夫婦世帯は月額23万7,279円。 -
厚生年金を月30万円以上受給する人は全体の約0.12%と、極めて限られた割合。 -
税・社会保険料が引かれるため、老後の家計計画には「年金振込通知書」の手取り額確認が不可欠。
2. 2026年6月15日の支給分から年金額は増額しています
2026年度、国民年金は前年度比1.9%、厚生年金は同2.0%の増額となっています。
- 国民年金(老齢基礎年金(満額・1人分)):7万608円(+1300円)
- 厚生年金(夫婦2人分):23万7279円(+4495円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額7万408円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
厚生労働省が示す夫婦2人分の標準的な年金額は、月額23万7279円です。年金は2カ月ごとに支給されるため、1回あたりの振込額は47万4558円となります。
もっとも、これらはあくまでモデルケースです。実際の受給額は加入期間や現役時代の収入によって異なります。自身の見込み額を確認しながら、老後の収支計画を立てていきましょう。
3. 国民年金+厚生年金、支給日に「60万円(月30万円)以上」受給する人は全体の何%?
夫婦2人分の標準的な年金額は月額23万7279円となりますが、実際には1人で月30万円以上を受け取る人もいます。
厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、厚生年金を月30万円以上受け取っている人の割合を見てみましょう。
3.1 【厚生年金の平均月額と受給額ごとの受給権者数】
【平均月額】
- 全体 15万289円
- 男性 16万9967円
- 女性 11万1413円
※国民年金部分を含む
【受給額ごとの受給権者数】
- ~1万円:4万3399人
- 1万円以上~2万円未満:1万4137人
- 2万円以上~3万円未満:3万5397人
- 3万円以上~4万円未満:6万8210人
- 4万円以上~5万円未満:7万6692人
- 5万円以上~6万円未満:10万8447人
- 6万円以上~7万円未満:31万5106人
- 7万円以上~8万円未満:57万8950人
- 8万円以上~9万円未満:80万2179人
- 9万円以上~10万円未満:101万1457人
- 10万円以上~11万円未満:111万2828人
- 11万円以上~12万円未満:107万1485人
- 12万円以上~13万円未満:97万9155人
- 13万円以上~14万円未満:92万3506人
- 14万円以上~15万円未満:92万9264人
- 15万円以上~16万円未満:96万5035人
- 16万円以上~17万円未満:100万1322人
- 17万円以上~18万円未満:103万1951人
- 18万円以上~19万円未満:102万6888人
- 19万円以上~20万円未満:96万2615人
- 20万円以上~21万円未満:85万3591人
- 21万円以上~22万円未満:70万4633人
- 22万円以上~23万円未満:52万3958人
- 23万円以上~24万円未満:35万4人
- 24万円以上~25万円未満:23万211人
- 25万円以上~26万円未満:15万796人
- 26万円以上~27万円未満:9万4667人
- 27万円以上~28万円未満:5万5083人
- 28万円以上~29万円未満:3万289人
- 29万円以上~30万円未満:1万5158人
- 30万円以上~:1万9283人
厚生年金を月額30万円以上受け取っている人は、全体の約0.12%です。数字で見ると、かなり限られた層であることがわかります。
実際には、年金を生活費の中心にしつつ、預貯金や退職金、就労収入などを組み合わせて家計を支える人が多いと考えられます。
そのため、まず確認したいのは「自分の年金が額面でいくらか」だけではありません。税金や社会保険料が差し引かれた後、実際に口座へ振り込まれる金額を把握することが重要です。
日本年金機構から届く「年金振込通知書」には、支給額だけでなく、介護保険料や所得税などの控除額、最終的な振込額も記載されています。
老後の家計を見直す際は、通知書の金額をもとに、毎月の生活費と照らし合わせてみましょう。年金だけで不足する分が見えてくれば、貯蓄の取り崩し方や働き方も考えやすくなります。
3.2 監修者コメント:まずは「年金振込通知書」で実際の手取り額を確認
多くの方にとって、公的年金は老後の生活を支える大切な収入源ですが、それだけで生活費をすべてまかなえるケースは多くありません。
まずは「年金振込通知書」で実際の手取り額を確認し、毎月の生活費と照らし合わせてみましょう。そのうえで、足りない分を貯蓄で補うのか、無理のない範囲で働くのかなど、自分に合った方法を考えておくことが、安心した老後につながります。
4. まとめ
2026年度の年金額は増額改定され、標準的な夫婦世帯では2か月分で約47万5000円が支給される計算です。
ただし、これはモデルケースであり、実際の受給額は現役時代の収入や加入期間によって異なります。
厚生年金を月額30万円以上受け取る人は全体の約0.12%にとどまり、多くの人にとって年金だけで老後の支出をすべてまかなうのは簡単ではありません。
老後の家計を考える際は、年金の額面だけでなく、税金や社会保険料が差し引かれた後の振込額を確認することが大切です。
まずは年金振込通知書を見直し、毎月の生活費に対して不足がないか確認してみましょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通しー令和6(2024)年財政検証結果 ー」
- 厚生労働省「令和6(2024)年財政検証関連資料②ー年金額の分布推計ー」
- 日本年金機構「知っておきたい年金のはなし」
加藤 聖人
