初夏の日差しや梅雨の雨をたっぷりと受け、庭やベランダの植物たちが、すくすくと青葉を広げていく季節。晴れの日も雨の日も、それぞれに美しい表情を見せてくれる今ならではの植物たちを堪能できる、とっておきの場所があります。

今回は、花や緑のある暮らしを愛する方に、ぜひ繰り返し訪れてほしい、兵庫県にある「西宮市大谷記念美術館」をご紹介します。同美術館の美しい日本庭園は、庭づくりの参考にしたくなる低木や多年草など魅力的な植物でいっぱいでした。

初夏の今だからこそ味わえる情緒あふれる庭園を実際に歩いたレポートとともに、現在開催中の企画展『スウェーデン・テキスタイル展 暮らしと自然に息づく北欧デザイン』についてお届けします。

※本記事の情報は執筆時点(2026年6月17日)のものです。
※植物の開花時期や生育スピードは、お住まいの地域や育てている環境によって異なり ますので、ご注意ください。

1. 水と緑豊かな大谷記念美術館の美しい庭園。眩しい木漏れ日の中を散策できます

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大谷記念美術館

筆者撮影/大谷記念美術館

西宮市の住宅街に位置する大谷記念美術館。その建物を囲むように構成されている広大な日本庭園は、道順に沿って散策しながら、多種多様な植物を楽しむことができます。

青々と茂る植栽のほかにも、水琴窟(すいきんくつ)や巨大な庭石、豊かに流れる水路など、心癒される豊かな空間が広がっています。

庭園を歩いていて驚かされたのは、足元や植込みの植物のバリエーションの豊かさです。今回は、そんな今の季節に見ごろを迎えている植物にフォーカス。個人の庭づくりにも取り入れやすい、魅力的な草花たちを中心に紹介しますね。

2. うちの庭にお迎えしたくなる!初夏を彩る魅力的なグランドカバー

2.1 大きな葉を広げて日陰の地面を覆う「ギボウシ(ホスタ)」と「ツワブキ」

日陰・半日陰の庭で活躍するグラウンドカバー「ギボウシ(ホスタ)」と「ツワブキ」は、さまざまな品種が植栽されていました。

ギボウシは開花直前。つぼみがキレイでした2/9

大谷記念美術館庭園のギボウシ(ホスタ)

筆者撮影/大谷記念美術館

初夏に花を咲かせるギボウシ(ホスタ)は、まさに開花直前。スッと伸びた茎に薄紫のつぼみをつけている姿は、とても美しかったです。また、ギボウシ(ホスタ)は、緑一色のナチュラルなものや、パッと目を惹く「斑入り(ふいり)」の品種もありました。

ツワブキは、斑入りのもの、黄色い水玉模様が入るものも3/9

大谷記念美術館庭園のツワブキ

筆者撮影/大谷記念美術館

ツワブキも、緑色のもの、黄色い水玉模様が入るもの、クリーム色の模様が入る「斑入り」と、バリエーションが豊富でした。年を重ねて、どんな風に大きな株に育っていくのか、葉の模様や質感の違いを見比べることができるのも参考になりそうです。

2.2 半日陰の足元を引き締める多彩な多年草と「メキシコマンネングサ」

岩に着生するメキシコマンネングサ、銅葉のアジュガ、丸い葉のカンアオイ4/9

大谷記念美術館庭園の岩に着生するメキシコマンネングサ、銅葉のアジュガ、丸い葉のカンアオイ

筆者撮影/大谷記念美術館

乾燥に強く種類が豊富な多肉植物のメキシコマンネングサなどのセダム類は、大きな岩に着生しているものや、一面を覆っているものなど、さまざまな場所を明るいグリーンで彩っていました。

深い銅葉色で空間を引き締めるおしゃれなアジュガは、ほかの植物よりさらに低い地際で隙間なく広がっていました。斑入りのカンアオイは、木の根元に可愛い丸い葉っぱをたくさん広げていました。

まだまだほかにも、シダや笹、リュウノヒゲなど、数え切れないほど多彩なグランドカバーが植えられており、次々と目移りしてしまうほどでした。

3. シックな葉色から明るいグリーンまで。葉色が美しい低木の数々

左上から時計回りにキンマサキ、オタフクナンテン、アオキ、トキワマンサク5/9

大谷記念美術館庭園のキンマサキ、オタフクナンテン、アオキ、トキワマンサク

筆者撮影/大谷記念美術館

大谷記念美術館の庭園には、さまざまな低木も植栽されています。なかでも目をひいたのは、斑入りの葉が美しいキンマサキ。明るい葉色で、庭園を明るく彩っていました。

ほかにも明るいグリーンから赤色までのグラデーションが美しいオタフクナンテンや、シックな深い葉色が美しいトキワマンサク、斑入りのアオキなどが、生き生きと葉を広げていました。

さまざまな葉色の低木が、庭園に美しいグラデーションと立体感を生み出しています。季節ごとに変化していくようすや色のコントラストなど、低木の魅力もじっくり堪能できますよ。

4. いい香りの花が咲く低木も。「クチナシ」に「ロウバイ」「紫式部」

いい香りの花を楽しめる低木、コクチナシ、紫式部、ロウバイも6/9

大谷記念美術館庭園のコクチナシ、紫式部、ロウバイ

筆者撮影/大谷記念美術館

いい香りの花が咲く低木も見つけることができました。甘い香りを漂わせる低木「コクチナシ」や、ほのかに花が香る低木「紫式部」は、初夏が花の季節。涼やかな白い花やうす紫色の花を咲かせていましたよ。

ほかにも、甘く香る花を冬に咲かせる低木「ロウバイ」もあり、可愛らしい実が黄色く色づきはじめていましたよ。

5. 初夏の庭の主役「スモークツリー」と「アジサイ」「アガパンサス」も

スモークツリーも複数品種がありました7/9

大谷記念美術館庭園のスモークツリー

筆者撮影/大谷記念美術館

庭園を歩いていると、快晴の青空の下、煙のようにふわふわとしたものが見えてきました。近づいてみると、風にそよぐスモークツリーの花穂でした。シックなカラーの葉色のものなど、複数本が植栽されていました。

日本庭園には意外ともいえる組み合わせですが、足元に植えられたギボウシと馴染んで美しい景観をつくりだしていました。

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大谷記念美術館庭園のアジサイ、アガパンサス

筆者撮影/大谷記念美術館

ほかにも、今がシーズンの色鮮やかなアジサイや、あと少しで花を咲かせようとしているアガパンサスも。初夏の庭の主役ともいえる植物たちは、見つけるたびにうれしくなってしまいました。

5.1 庭園に潜む「現代アート探し」の密かな楽しみ

緑豊かな庭園内には、岡本太郎の『午後の日』をはじめとする11点の立体作品が常時展示されています。

植物の影や、眩しい木漏れ日の中に溶け込むように佇む現代アートを探しながら歩くのも、大谷記念美術館ならではの贅沢な時間です。現地を訪れた際は、どんな作品が隠れているか、宝探しをするように庭園を歩いてみても楽しいかもしれません。

6. 【2026年6月28日まで開催中】暮らしを豊かに彩る『スウェーデン・テキスタイル展』

大谷記念美術館の館内ロビーエントランスからは、庭園を散策したときとは異なる視点から、その眺めを楽しむことができます。

そして、その館内では現在、『スウェーデン・テキスタイル展 暮らしと自然に息づく北欧デザイン』が開催中です。

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大谷記念美術館スウェーデン・テキスタイル展画像

出所:大谷記念美術館

スウェーデンでは、長く厳しい冬、家の中で過ごす時間を、室内を明るく彩るカラフルで大胆なテキスタイルで、豊かにしてきました。本展では、そんな北欧のテキスタイル作品や関連資料約250点が集められています。

なかでも注目したいのは、植物や動物など身近な自然をモチーフにしたテキスタイルの数々。庭園の美しい草花とともに、館内で遠い北欧の自然の息吹が表現された作品に触れる体験は、この美術館ならでは。大胆な構図やカラフルな色彩は、ガーデニング好きの方の心に響き、また庭づくりへのインスピレーションも与えてくれそうです。

西宮市大谷記念美術館での本展の開催は、2026年6月28日(日)までとなります。6月の週末のお出かけ先の一候補として、チェックしてみてくださいね。

6.1 施設・展覧会情報:西宮市大谷記念美術館

  • 展覧会名: スウェーデン・テキスタイル展 暮らしと自然に息づく北欧デザイン
  • 会場: 西宮市大谷記念美術館(兵庫県西宮市中浜町4-38)
  • 会期: 2026年4月4日(土)〜6月28日(日)
  • 開館時間: 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
  • 休館日: 水曜日(ただし祝日の場合は開館し翌日休館)、展示入替期間
  • 入館料(一般): 1200円
  • お問い合わせ: 0798-33-0164
  • 備考:本展は、名古屋市美術館へ巡回します(会期:2026年7月11日(土)~9月6日(日))

参考資料