3. 【定年後】増える支出・減る支出は何?
定年退職後の家計を考えるうえでは、収入の変化だけでなく、支出の中身が定年前と変わることにも目を向けたいところです。仕事を辞めたことで減る支出がある一方、生活スタイルが変わって増える支出もあります。
3.1 【定年後】増える主な支出
家にいる時間が長くなることで、次のような支出は増えやすくなります。
- 食費(自炊や中食の機会が増える)
- 光熱費(在宅時間が増えることでの電気・ガス代)
- 交際費(プライベートでの友人との外食や趣味の集まり)
- 趣味・旅行費(時間にゆとりができることで)など
3.2 【定年後】減る主な支出
一方で、仕事に関連していた支出は基本的になくなります。
- 交通費(通勤の電車・バス代やガソリン代)
- 衣料費(仕事用のスーツやシャツなど)
- 食費(仕事中のランチやコーヒー代)
- 交際費(職場の付き合い)など
家計を「定年後の支出のかたち」に少しずつ寄せていくと、年金の手取りでまかなえる範囲が見えてきます。ライフスタイルの変化があったときには、家計や貯蓄を見直すことも忘れずにしておきたいものです。
4. まとめにかえて
60〜70歳代おひとりさまの貯蓄額は、平均でみると1300万〜1400万円台ですが、中央値では300万〜500万円と差があります。「貯蓄ゼロ」が2〜3割を占める一方で、「2000万円以上」も2割超いるという二極化した実態がうかがえます。
そして家計を考えるうえでは、年金の額面ではなく「手取り」で見ることが大切です。6月に届く年金振込通知書で控除と手取りを確認し、毎月の家計収支と照らし合わせると、自分の家計の位置が見えてきます。あわせて、定年後に増える支出・減る支出も意識しておくと、これからの暮らしの設計がしやすくなります。
ご自身の状況と照らしあわせながら、これからの備え方をゆっくり考えていきたいものです。
参考資料
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)〔単身世帯〕」
- 日本年金機構「年金振込通知書」
- 総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要」
宮野 茉莉子