4. 生活保護を利用できるのはどのような人?

生活保護は、希望すれば誰でも受けられる制度ではありません。

まずは預貯金などの資産を活用し、働くことができる場合には能力に応じて就労することが求められます。

そのうえで、世帯の収入が国の定める最低生活費を下回る場合に、不足する分が支給される仕組みです。

また、生活保護の審査は個人ではなく世帯全体を対象として行われ、預貯金や不動産、有価証券など換金可能な資産については、原則として生活のために活用する必要があります。

さらに、就労できる人は、その能力に応じて働くことが前提となり、あわせて、親族からの援助や年金など、利用できる制度や支援がある場合には、それらを優先的に活用することになります。

こうした要件を踏まえたうえで、なお生活を維持することが難しい場合に生活保護が支給されます。

次章では、生活保護の中心的な支援である「生活扶助」の仕組みについて見ていきましょう。

5. 生活保護の「生活扶助」の支給内容は?

生活保護は、あらかじめ決まった金額が支給される制度ではありません。

世帯ごとの収入や状況を踏まえ、生活に必要な額に不足が生じる場合に、その不足分を支援する仕組みです。

生活保護には8種類の扶助が設けられており、その中心となるのが「生活扶助」です。

生活保護の支給内容5/6

生活保護の支給内容

出所:厚生労働省「生活保護制度の概要等について」

  • 生活扶助:食費や被服費、光熱水費など日常生活にかかる費用
  • 住宅扶助:アパートなどの家賃について、定められた範囲内で実費を支給
  • 教育扶助:義務教育に必要な学用品費など
  • 医療扶助:医療サービスにかかる費用(医療機関へ直接支払われ、自己負担なし)
  • 介護扶助:介護サービスの費用(事業者へ直接支払われ、自己負担なし)
  • 出産扶助:出産にかかる費用を一定範囲内で支給
  • 生業扶助:就労に必要な技能習得や、高等学校等への就学にかかる費用を支給
  • 葬祭扶助:葬儀にかかる費用を一定範囲内で支給

生活扶助は、食費や衣類代、光熱水費など、日々の生活に欠かせない支出を支えるための扶助です。

また、単純な現金給付ではなく、最低限度の生活を維持するために必要な基準に基づいて算定される点が特徴です。

生活扶助の金額は全国共通ではなく、居住地域や世帯人数、年齢構成などによって異なります。

さらに、世帯に収入がある場合には、その収入を考慮したうえで不足する分が支給されます。

では、世帯ごとの生活扶助額の目安を見ていきましょう。

5.1 【世帯別】生活扶助額の目安

厚生労働省「生活保護制度の概要等について」によると、生活扶助額の目安は以下のとおりです。

【世帯構成:東京都区部等/地方郡部等】

  • 3人世帯(33歳、29歳、4歳): 16万4860円/14万5870円
  • 高齢者単身世帯(68歳):7万7980円/6万8450円
  • 高齢者夫婦世帯(68歳、65歳):12万2460円/10万8720円
  • 母子世帯(30歳、4歳、2歳): 19万6220円/17万4800円

このように、生活扶助額は世帯構成や年齢、居住地域によって異なります。

また、同じ人数の世帯であっても、住んでいる地域によって金額に差が設けられています。

さらに、高齢者世帯や子どものいる世帯など、それぞれの状況に応じた基準が設定されていることも特徴です。

このように、生活扶助は世帯ごとの事情を踏まえて支給額が決められる制度となっています。