5. 老後資金の準備は新NISAだけではない!分散して考える重要性

では、50歳代から老後資金を準備するのは手遅れなのでしょうか。

決してそのようなことはありません。

老後資金について考えると、どうしても「投資でどれだけ増やせるか」という点に目が行きがちです。

しかし、実際の老後の生活は、一つの資産運用だけで支えられるものではありません。

生活の基盤となるのは、あくまで「公的年金」です。

そこに退職金や預貯金、場合によっては長く働き続けることで得られる「就労収入」などを組み合わせ、老後の暮らしを多角的に支えていくことになります。

そのため、まず重要になるのは「これから増やすお金」だけに着目するのではなく、年金の受給見込額や退職金の額など、「すでに確保できる見込みのお金」がどのくらいあるのかを把握することです。

新NISAは資産形成を力強く後押しする制度ですが、老後資金のすべてを投資だけで準備するためのものではありません。

「投資だけで何とかしなければ」と思い込んでしまうと、相場が下落した際に不安が大きくなり、運用を続けること自体が精神的な負担になりかねません。

「生活の土台は公的年金や預貯金で固め、年金だけでは足りない部分を新NISAで補う」というように考えると、価格変動に対する心理的なプレッシャーは和らぎやすくなります。

投資経験が浅い方ほど、「もっと増やさないと将来が不安だ」と焦りを感じやすい傾向があります。

万一の事態に備える生活防衛資金として一定額の預貯金を確保しつつ、余裕資金の範囲で少額から積立投資を始めるという方法でも、将来への備えとして十分に現実的です。

無理なく続けられる仕組みを築くことこそが、長期的な資産形成において最も重要なポイントといえるでしょう。