4. 新NISAはなぜ早期開始が有利?時間がもたらす「複利効果」の重要性

先ほどのシミュレーションでは、毎月5万円という決して小さくない金額を15年間積み立てても、年利5%で約1336万円という結果でした。

これは、老後資金の一つの目安とされる「2000万円」には届かない金額です。

資産形成について語られる際、「投資は若いうちから始める方が有利」とよくいわれますが、その最大の根拠は「複利」の効果にあります。

複利とは、運用によって得られた利益が元本に加わり、その合計額に対してさらに利益が生まれる仕組みのことです。

つまり、「お金自身が働き、増えたお金もまた一緒に働く」という状態を指します。

この効果は、運用期間が長ければ長いほど大きくなるという特徴があります。

逆にいえば、始める時期が遅くなるほど、目標金額に到達するためには毎月の積立額を増やす必要が出てくるということです。

例えば、「65歳時点で2000万円を準備する」という共通の目標を立てた場合でも、積立を始める年齢によって月々の負担は大きく異なります。

4.1 目標2000万円:積立開始年齢で見る毎月の必要積立額の目安

※想定利回り:年3%

  • 25歳から65歳まで(40年間):毎月約2万円
  • 35歳から65歳まで(30年間):毎月約3万5000円
  • 50歳から65歳まで(15年間):毎月約9万円

このように、同じ2000万円という目標でも、開始時期が遅れるにつれて毎月の負担額は急激に増加します。

特に50歳以降から準備を始める場合、短期間で資産を形成する必要があるため、家計への負担も大きくなりがちです。

一方で、20歳代から長期間にわたって積み立てる場合は、毎月の積立額を比較的低く抑えながら、時間を味方につけることが可能になります。

資産形成においては、どれだけ高い利回りを目指すかということよりも、「どれだけ長い時間を活用できるか」が結果に大きな影響を与えることも少なくありません。

冒頭の調査で若い世代が投資に期待を寄せているのは、この点を理解した合理的な判断といえるでしょう。