2. 銀行の儲けの仕組み「スプレッド」とは何か

MUFGの株価が上昇している理由を理解するためには、銀行がどのようにして利益を生み出しているのか、その基本的な構造を知る必要があります。

泉田氏は、銀行のビジネスモデルを極めてシンプルに表現します。

「一言で言っちゃうと金利。もっと言うと貸し出し金利と預金金利の差、このスプレッド。これが大きければ大きいほど儲かります」

銀行の主な業務は、一般の個人や企業からお金を預かり(預金)、その資金を資金が必要な企業や個人に貸し出す(融資)ことです。

この時、預金者に対して支払う金利(預金金利)よりも、貸し出し先から受け取る金利(貸出金利)を高く設定することで、その「差額」が銀行の利益となります。この差額のことを金融用語で「スプレッド(利ざや)」と呼びます。

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銀行の儲けの仕組み「スプレッド」

出所:イズミダイズム作成

現在、日本銀行の政策変更に伴い、国内の金利は上昇局面にあります。金利が上がると、銀行のビジネスにはどのような影響があるのでしょうか。泉田氏は、資金の調達側と貸し出し側の両面からそのメカニズムを紐解きます。

「資金調達コストって言うんだけど、みんなの預金金利ももちろん上がるんだけど、そこまで上がってないじゃない。そうするとスプレッドって言うんだけど、鞘は拡大してるから、基本的に金利が上がる時には銀行儲かるんだよね」

金利が上昇する環境下では、住宅ローンや企業向けの貸出金利は比較的早く引き上げられます。

一方で、私たちが銀行にお金を預けている普通預金の金利は、上がったとはいえ依然として非常に低い水準に留まっています。結果として、銀行が受け取る利息と支払う利息の差(スプレッド)が大きく広がり、利益が急増する構造になっているのです。

「今までずっとゼロ金利だから銀行株ってあんまり注目されなかったんだけど、この金利上昇局面、金利が低いところから上がる時に銀行株のパフォーマンスっていうのはすごい良くなる。そういうもの」(泉田氏)

つまり、ハイテク株にとって逆風となる「金利上昇」が、銀行にとっては直接的な「増益要因」となるため、市場の資金が銀行株へと向かっているのです。