2. 増える就業率、高齢者が働いている業種とは
貯蓄に不安があっても、収入を得る方法は預貯金の取り崩しだけではありません。内閣府の「令和7年版高齢社会白書」によると、近年は高齢になっても働き続ける人が増えています。
2.1 高齢者の就業率(長く働く実態)
2024年の高齢者の就業率は、次のとおりです。
- 65〜69歳:53.6%
- 70〜74歳:35.1%
- 75歳以上:12.0%
65歳以上の就業者数は21年連続で前年を上回っており、長く働くことは特別ではなくなってきています。
2.2 高齢者はどの業種で働いている?
同じ調査で、65歳以上の就業者が多い産業をみると、次のようになっています(2024年)。
- 卸売業・小売業:133万人
- 医療・福祉:115万人
- サービス業(他に分類されないもの):104万人
- 農業・林業:93万人
産業全体に占める65歳以上の割合では「農業・林業」が51.7%と最も高く、半数以上が高齢者です。身近な小売業・医療福祉から専門分野まで、高齢者が働く場は広がっています。
最近ではさまざまな職種や働き方も増えています。長く働くことで貯蓄を増やしたり、余裕が出ればその一部を資産運用したりといったことも可能です。
長い目で見た働き方を考えるのも、老後対策を考える一つになるでしょう。
3. まとめにかえて
60歳代おひとりさまの貯蓄は、平均1364万円・中央値300万円。「貯蓄ゼロ」が約3割という現実もあり、人によって差が大きいことがわかりました。
一方で、長く働く高齢者は年々増えています。貯蓄の取り崩しだけに頼らず、働き方も含めて老後のお金を考える。また、お金の置き場所を考えることも大切です。
平均寿命がのびる時代だからこそ、自分に合ったペースで、これからの暮らしを組み立てていきたいものです。
参考資料
宮野 茉莉子
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
くらしとお金の経済メディア『LIMO』編集長/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
1984年生まれ。東京女子大学哲学科卒業後、2008年に野村證券株式会社に入社。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)を保有し、支店にて国内外株式、債券、投資信託、保険商品などの販売を通じて個人顧客向け資産運用コンサルティング業務に従事し、個人のお金の悩みを解決してきた。特に投資信託や株式、債券などを用い、顧客ニーズにあわせた丁寧でわかりやすい資産運用提案が強み。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』編集長。厚生労働省や金融庁など官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、社会保障制度、貯蓄、教育、キャリアなどをテーマに執筆中。専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも副編集長として記事を執筆している。3児のひとり親で中学・高校社会科(公民)教員免許保有。趣味は音楽鑑賞と読書(2026年6月26日更新)
監修者
マネー編集部貯蓄班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、大手証券会社やメガバンク等の金融機関にて勤務経験のある編集者が中心となり、金融庁や総務省など官公庁の公開情報等をもとにお金の課題に寄り添う専門チームです。
主なメンバーは野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、日本生命保険相互会社出身の村岸理美など。
編集者の多くは、金融機関にて個人リテール業務を経験。若年層からシニア層、富裕層に至るまで、幅広い顧客に対し、投資信託・保険を中心とした総合的なライフプランニングを実行してきた。なかには、リテール営業で社内トップの実績を持ち、行内で表彰された実力者も。人材育成や社内教育にも携わるなど、金融知識と実務経験の両面で信頼される編集者が在籍しています。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年6月23日)