年度前半の税額決定を経て、夏のタイミングで改めてご自身の課税状況や利用できる制度を確認する方が増えています。2026年度も給付付き税額控除などの施策が話題になっていますが、支援が必要な世帯が実際に受けられる支援は現金給付だけではありません。
相談を受けていて意外に知られていないと感じるのが、社会保険料の軽減や保育料の無償化、高額療養費の負担軽減といった「現金給付+α」の支援です。申請を忘れたり制度を知らなかったりすると、本来受けられる負担軽減を逃してしまいます。
そこで本記事では、住民税非課税世帯が受けられる社会保険料の軽減や高額療養費の優遇、保育料の無償化、国民年金保険料の免除制度を解説します。具体的な金額や基準もあわせて紹介するので、参考にしてみてください。
なお、住民税非課税世帯の優遇措置に関する詳しい解説は下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。
1. 記事を読むとわかる3つのポイント
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住民税非課税世帯には、社会保険料の軽減や高額療養費の負担軽減など、現金給付以外の支援も用意されている -
国民健康保険料・介護保険料の軽減は自動適用が多いが、国民年金保険料の免除は自己申請が必要 -
2026年8月からは高額療養費制度の自己負担上限額が一部引き上げられる
2. 住民税非課税世帯の判定基準は?
住民税非課税の判定は「均等割」と「所得割」の両方が非課税基準を満たすかどうかで行われます。
所得割の非課税基準は「35万円×(本人+控除対象配偶者+扶養親族の数)+10万円」で計算され、扶養親族等がいる世帯はさらに32万円が加算されます。
単身者の場合、1級地(東京23区等)における非課税の目安は合計所得45万円以下(給与収入のみなら年収110万円以下)、正確なラインはお住まいの市区町村でご確認ください。
年収ベースでのより詳しい境界線についてはこちらの記事でくわしく解説しています。あわせてご参考ください。
【住民税非課税世帯】給与・年金の収入基準《ボーダーラインはいくら?》知っておきたい5つの優遇制度
3. 社会保険料の負担を軽くする3つの制度
住民税非課税世帯には、国民健康保険料や介護保険料、国民年金保険料といった社会保険料の負担軽減も用意されています。世帯の所得水準によって軽減割合が変わるため、自分の世帯がどの区分に当てはまるか確認しましょう。
3.1 国民健康保険料の軽減(7割・5割・2割)
国民健康保険料の均等割額は、世帯の所得に応じて7割、5割、2割の軽減が受けられます。
7割軽減は「43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)」以下の所得が基準です。5割軽減は「43万円+31万円×被保険者等の数+10万円×(給与所得者等の数-1)」以下となっています。
また、2割軽減は「43万円+57万円×被保険者等の数+10万円×(給与所得者等の数-1)」以下です。
3.2 介護保険料の第1〜3段階の軽減
第1号被保険者(65歳以上)の介護保険料も、住民税非課税世帯は所得段階に応じて軽減されます。
2026年度は、世帯全員が非課税で本人の年金収入等が年間82万6500円以下なら第1段階として基準額の0.25倍です。
82万6500円超120万円以下なら第2段階で0.35倍、120万円超なら第3段階で0.685倍まで軽減されます(老齢基礎年金満額の改定に伴い、判定の基準となる年金収入額は、2025年度までの80万9000円から引き上げられました)。
3.3 国民年金保険料の免除・追納制度
国民年金保険料には、全額免除から4分の1免除まで4段階の制度があります。
2026年度の所得基準は、全額免除が「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」以下です。
4分の3免除は「88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等」以下、半額免除は「128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等」以下です。
4分の1免除は「168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等」以下となっています。
免除を受けた期間は、老齢基礎年金の受給額にも反映されます。全額免除は2分の1、4分の3免除は8分の5、半額免除は8分の6、4分の1免除は8分の7が年金額に反映される仕組みです。
将来の年金額を増やしたい人は、免除から10年以内なら追納できます。ただし3年度目以降の追納には加算額がつくため、早めの手続きが有利です。
4. 医療費の自己負担を抑える高額療養費の優遇
医療費が高額になった際の自己負担を抑える高額療養費制度も、住民税非課税世帯には低い上限額が設定されています。
4.1 月額3万5400円までに抑えられる仕組み
70歳未満で住民税非課税の低所得区分は、1ヶ月の自己負担限度額が3万5400円です。
過去12ヶ月以内に4回以上高額療養費に該当した場合の多数回該当では、上限額が2万4600円までさらに下がります。
70歳以上の低所得者Ⅱは外来が個人ごとに8000円、世帯ごとに2万4600円です。より所得の低い低所得者Ⅰは、外来個人8000円、世帯1万5000円となっています。
4.2 2026年8月からの制度見直しで変わる点
2026年8月診療分からは高額療養費制度が見直されます。70歳未満の低所得区分の自己負担限度額は3万6900円に引き上げられる予定です。一方、多数回該当の2万4600円は据え置かれます。
5. 保育料が0円になる幼児教育・保育の無償化
幼児教育・保育の無償化は、住民税非課税世帯にとって大きな支援の一つです。年齢や施設の種類によって対象範囲が異なるため、内容を確認しましょう。
5.1 0〜2歳児クラスの住民税非課税世帯は無償
0〜2歳児クラスの保育料は、住民税非課税世帯のみが無償化の対象です。認可外保育施設を利用する場合も、月額4万2000円を上限に無償化の対象になります。
5.2 3〜5歳児クラスは所得に関わらず全世帯無償
3〜5歳児クラスは所得に関わらず全世帯が無償化の対象です。
幼稚園を利用する場合の保育料は、月額2万5700円を上限に無償化されます。住民税非課税世帯かどうかにかかわらず利用できる制度ですが、0〜2歳児クラスの支援と合わせることで、子育て世帯全体の負担軽減につながります。



