1. 【JX金属】上場来好調だった株価はなぜ急落したのか?

JX金属の株価は、上場以来TOPIX(東証株価指数)を大きくアウトパフォームし、右肩上がりの成長を続けてきました。

しかし、直近の決算発表直後から株価は急落し、大きな調整局面を迎えています。

この急落の背景を探るため、まずは同社が発表した2026年3月期の通期決算(実績)を見てみましょう。売上は8,846億円(対前年比23.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,046億円(対前年比53.3%増)と、非常に力強い「大幅な増収増益」を達成しています。

これだけ立派な実績を残しているにもかかわらず、なぜ株価は売られたのでしょうか。そのヒントは、同時に発表された「来期(2027年3月期)の業績予想」にあります。

来期の会社予想は、売上が9,300億円(同5.1%増)、営業利益が1,900億円(同8.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益が1,140億円(同8.9%増)となっています。

増収増益基調は維持しているものの、前期の「50%超の増益」と比べると、成長のスピードが一段落した印象を受けます。

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JX金属の売上・利益の推移(実績と予想)

出所:JX金属 決算短信・決算説明会資料を基にイズミダイズム作成

さらに重要なのが、証券会社のアナリストたちが予測する業績の平均値である「コンセンサス」とのギャップです。泉田氏は、このギャップこそが株価下落の表面的な引き金になったと分析します。

「会社予想のところが1,780億円(税引前利益)、コンセンサス予想が1,927億円なんで、やっぱり会社予想がコンセンサスに満たなかったということで、一旦売られる背景にはなりますね」

上場から急速に株価が上昇してきた銘柄だけに、市場の期待値(コンセンサス)も高まっていました。

4週間前にはコンセンサスが2,061億円まで切り上がっていた時期もあり、会社側が発表した保守的な予想が市場の期待に届かなかったことで、「一旦利益を確定しよう(利確)」と考える投資家が増えたことが、株価下落の第一の要因です。