2. 老後に向けて貯蓄をどう備える?
貯蓄には、年代や世帯による差があります。これから備えていくうえで、大きく2つの方向が考えられます。「長く働くこと」と「制度を活かすこと」です。順にみていきましょう。
2.1 働く期間をのばす
一つ目は、働く期間を延ばすという選択です。長く働けばその分の収入が得られ、貯蓄を取り崩し始める時期を後ろにずらせます。年金の受け取りを遅らせて将来の受給額を増やす「繰下げ受給」も選びやすくなります(ただし繰下げ受給が本当に得かは個人差が大きいので慎重に考えましょう)。
もちろん、健康や体力、働き方に応じて、無理のない範囲で考えることが大切です。いまはさまざまな職種や働き方が増えているので、調べてみるのも一つでしょう。
2.2 新NISA・iDeCoなど税制優遇制度を活かす
二つ目は、税制優遇のある制度を使う方法です。預貯金だけでなく、新NISAのつみたて投資枠やiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用して、お金を育てる選択肢もあります。ただし、資産運用となると元本割れの可能性があり、またiDeCoは原則60歳まで引き出せないなど、それぞれの特徴を理解したうえで、自己責任で選ぶ必要があります。
この2つは、組み合わせることでより資産を増やせる可能性もあります。たとえば、長く働いて得た収入の一部を、税制優遇制度での運用に回すといったかたちです。
もちろん家庭状況などにもよりますし、損するリスクもあるので一律の正解はありません。自分の年代や家計の状況に合わせて、無理なく続けられる方法を選びたいものです。
3. まとめにかえて
二人以上世帯の貯蓄は、30歳代1096万円・40歳代1486万円・50歳代1908万円・60歳代2683万円(いずれも平均で、中央値はこれより低め)でした。
住民税の通知が届き、家計を見直したくなるこの時期。平均と比べて一喜一憂するよりも、長く働くこと、制度を活かすことなど、自分にできる備えを一つずつ整えていくことが、これからの安心につながるのではないでしょうか。
参考資料
宮野 茉莉子