3. 給付付き税額控除、制度化に向けた今後の課題

給付付き税額控除を実現するうえで、大きな課題となっているのが所得を正確に把握することの困難さです。

たとえば、収入が一定水準以下で申告義務がない方などは、正確な所得情報を正しく把握することが難しく、誤支給につながってしまうリスクがあります。

また、年末調整を通じて事業主が事務を担う場合、特に中小事業者にとっては対応が困難になる問題も指摘されています。

こうした受給手続きの複雑さは、「国と地方自治体のどちらが主体となって制度を執行するのか?」という課題にも及びます。

今回の議論の整理では、国と地方自治体のどちらか一方だけでなく双方が協力して役割分担していくことが示されましたが、利用者にとって分かりやすく申請の手間が少ない仕組みをどのように設計していくかが今後の焦点となっています。

4. まとめにかえて

給付付き税額控除は、中低所得の現役勤労者の手取り増加と就労促進を目的とした新しい支援の仕組みです。当面は現金給付に一本化される方向が示されていますが、具体的な給付額や対象となる所得の基準など、制度の細かい点はこれから決まる部分が多く残っています。

自分が対象となるかどうかも含め、今後の議論の動向を注視しておきましょう。

参考資料

椿 慧理