2026年6月は、2カ月に一度の年金支給月です。公的年金に加えて、所得が一定基準以下の方の生活を支える「年金生活者支援給付金」という制度があります。
この給付金には3種類あり、そのうち「遺族年金生活者支援給付金」は遺族基礎年金を受け取っている方が対象です。本記事では、支給の条件や金額、子どもが複数いる場合の分け方、実際の受給データについて詳しく見ていきます。
1. 年金生活者支援給付金、消費税が財源《老齢・障害・遺族》基礎年金受給者が対象
年金生活者支援給付金とは、公的年金に上乗せして支給される給付金のことです。この制度は、以下の3つのタイプに分かれています。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
これらは、老齢・障害・遺族の各基礎年金を受給している方で、公的年金などを含めた所得が一定の基準を下回る場合に、2カ月ごとに支給される仕組みです。
2. 遺族年金生活者支援給付金、支給額「月5620円」前年所得479.4万円以下が支給要件
遺族年金生活者支援給付金を受け取るためには、次の要件を満たす必要があります。
- 遺族基礎年金を受給していること
- 前年の所得額(※)が479万4000円以下であること(扶養親族の人数によって上限額は変わります)
※ここでいう所得には、障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれません。所得は、収入全体から給与所得控除などの必要経費を差し引いた金額を指します。
2.1 給付額の詳細と計算方法
- 月額5620円
もし、給付の対象となる子どもが2人以上いる場合は、この5620円を対象人数で均等に割った金額が、それぞれの子どもに支給されます。
3. 遺族年金生活者支援給付金、子ども3人受給対象者「どうやって分ける?」
例えば、3人の子どもが遺族基礎年金を受け取っているケースでは、1人あたりの給付額は月額1873円となります。これは、基準額の5620円を3人で割って計算された金額です。
計算過程で50銭未満の端数が出た場合は切り捨て、50銭以上1円未満の端数は1円に切り上げて調整されます。なお、給付額は法令の改正などによって変更される可能性がある点に注意が必要です。
4. 遺族年金生活者支援給付金、受給状況「全国7万件超」40〜50歳代が中心
厚生労働省が公表した『令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、2025年3月末時点での遺族年金生活者支援給付金の受給件数は、全国で合計7万7707件にのぼります。
年代別の内訳は以下の通りです。
- 20歳未満:5687件
- 20〜29歳:529件
- 30〜39歳:7881件
- 40〜49歳:3万4072件
- 50〜59歳:2万7828件
- 60歳以上:1710件
データを見ると、受給者の中心は40歳代から50歳代の中高年層で、全体の大部分を占めていることがわかります。これは、遺族基礎年金を受け取る配偶者が子育て世代であることが多いという背景が影響していると推測されます。
また、20歳未満の受給者は子ども自身が対象となるケースで、60歳以上の受給件数は少ない傾向が見られます。どの年代であっても、この給付金は遺族の家計を支える重要な役割を担っているといえます。
5. 遺族年金生活者支援給付金、暮らしを支える大切な社会保障
遺族年金生活者支援給付金は、遺族基礎年金とあわせて支給されることで、残された家族の生活を経済的に支える重要な制度です。
月額5620円が支給されますが、前年の所得による制限が設けられています。また、対象となる子どもが複数いる場合は、金額を均等に分けて支給されるといったルールがあります。全国で7万件を超える受給実績があり、特に40歳代・50歳代の方に多く利用されています。ご自身が対象になるか、一度要件を確認してみてはいかがでしょうか。
※この記事は再編集記事です。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額をお知らせする「年金額改定通知書」、「年金振込通知書」の発送を行います」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 日本年金機構「個人の方の電子申請(年金生活者支援給付金請求書)」
- LIMO「遺族年金生活者支援給付金、ご遺族が受け取る年金の上乗せ「給付月額5620円」3人の子が基礎年金受給の場合「どうやって分ける?」」
村岸 理美