4. 「オルカン」と「S&P500」はどちらを選ぶべき?投資判断のポイントを解説

一見すると、過去の騰落率が高い「S&P500」を選ぶほうが有利に見えるかもしれません。

しかし、投資先を選ぶ際は、過去のリターンだけで判断するのではなく、リスクや値動きの大きさ、長期で持ち続けられるかどうかもあわせて考える必要があります。

4.1 S&P500は高いリターンを狙える一方、米国集中のリスクもある

S&P500は、過去の実績を見ると高いリターンを出してきました。米国を代表する企業にまとめて投資できるため、米国経済や大型企業の成長を取り込みやすい点が魅力です。

一方で、投資先は米国株式に集中しています。さらに、近年は大型テック企業の影響が大きく、特定の業種や企業群の値動きに左右されやすい面もあります。

今後30年という長い期間で見れば、米国株がこれまでのように世界市場をけん引し続けるとは限りません。

金利上昇、規制強化、税制変更、為替の変動などによって、思うようにリターンが伸びない時期もあるでしょう。

高いリターンを期待できる投資先ほど、値動きや将来の不確実性も大きくなりやすい点は押さえておく必要があります。

4.2 オルカンはリターンの最大化よりも分散と続けやすさを重視する人向け

オルカンの強みは、世界経済全体に投資するため、特定の国・企業に依存しにくい点にあります。

リターンはS&P500より控えめでも、暴落時のダメージを抑えられる可能性があるため、長期で持ち続けやすいのが特徴と言えるでしょう。

結論としては、リターン最大化を狙うなら「S&P500」、長期で淡々と続けたいなら「オルカン」が、それぞれの合理的な選択です。

「どちらが儲かるか」ではなく「30年間持ち続けられるか」を基準にしつつ、オルカンとS&P500を併用することも検討してみてはいかがでしょうか。

4.3 過去のCAGRを将来にそのまま当てはめない

今回のシミュレーションで使った年率18~20%台という数字は、長期の期待リターンとして見るとかなり高い水準です。

しかし、今後30年間も同じ環境が続くとは限りません。今回の試算は、将来の利益を予測するものではなく、「複利で増えると資産額が大きく変わる」ことを示す一例として見るのが現実的です。

より慎重に考えるなら、年1~10%程度の利回りで運用した場合の資産額も確認しておくとよいでしょう。

初期投資額100万円を30年間運用した場合、利回り別の資産額は以下のとおりです。

  • 利回り1%の場合:約135万円
  • 利回り2%の場合:約181万円
  • 利回り3%の場合:約243万円
  • 利回り4%の場合:約324万円
  • 利回り5%の場合:約432万円
  • 利回り6%の場合:約574万円
  • 利回り7%の場合:約761万円
  • 利回り8%の場合:約1006万円
  • 利回り9%の場合:約1327万円
  • 利回り10%の場合:約1745万円

※初期投資額100万円、複利計算にて算出
※本シミュレーションは、実際の運用結果を保証するものではありません