新NISAの開始以降、長期の資産形成を目的にインデックスファンドを選ぶ人が増えています。なかでも「オルカン」と「S&P500」は、積立投資の候補として比較されることが多い代表的な商品です。

どちらも低コストで分散投資しやすい投資信託として人気がありますが、投資対象は大きく異なります。

また、過去の運用実績をもとに長期シミュレーションをすると、複利の影響で将来の資産額に大きな差が出ることもあります。

ただし、過去の高いリターンが今後も続くとは限らないため、数字だけで判断するのは避けたいところです。

本記事では、オルカンとS&P500の基本的な違いや過去の運用実績を確認したうえで、初期投資額を長期間運用した場合のシミュレーション、投資先を選ぶ際の考え方について見ていきます。

1. 「オルカン」と「S&P500」とは?まずは基本を整理

NISAの積立投資でよく比較されるのが、「オルカン」と「S&P500」です。

どちらも人気のインデックスファンドですが、投資対象や値動きの特徴は異なります。まずは、それぞれの基本を確認しましょう。

1.1 オルカン(全世界株式)の特徴

「オルカン」は、全世界の株式に分散投資するファンドです。

日本や米国、欧州、新興国など、幅広い国・地域の株式に投資できるため、1本で世界経済全体の成長を取り込めます。

ただし、時価総額に応じて組み入れ比率が決まるため、現在は米国株の比率が高く、資産の多くを米国企業が占めています。それでも、1つの国だけに投資するファンドと比べれば複数の国・地域に分散されているため、「どの国が伸びるか」を自分で判断することなく世界株式に投資できる点が特徴です。

長期で分散投資を続けたい人に向いた選択肢といえるでしょう。

1.2 S&P500の特徴

「S&P500」は、米国を代表する約500社で構成される株価指数です。

アップルやマイクロソフト、エヌビディアなど、世界的な企業も多く含まれており、米国経済の成長を取り込みやすい点が特徴です。

過去の実績では高いリターンを出してきましたが、投資先は米国に集中しています。

米国株が好調なときは大きな成果が期待できる一方、米国市場が不調な局面では資産の値動きも大きくなりやすい点に注意が必要です。