障害基礎年金の受給者に上乗せ給付される「障害年金生活者支援給付金」が増額され、6月15日に振り込まれます。受給者や申請を検討している人の中には、「給付金額はいくら?」「どの年代の人が多いの?」などの疑問を感じている人もいるでしょう。
本記事では、2026年度の障害年金生活者支援給付金額と年代別の受給状況について解説します。支給要件や受給者が特定の年代に受給者が多い理由も紹介します。
1. 障害年金生活者支援給付金、消費税が財源「年金と同じ日・同じ口座」に振り込まれる
年金生活者支援給付金は、消費税率引き上げによる増収分を財源として、2019年(令和元年)10月に創設されました。所得の低い基礎年金受給者の生活を支援することが目的です。公的年金とは異なり、給付は国の財源で賄われています。
この給付金には、「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3種類があり、老齢・障害・遺族の各基礎年金受給者に対して年金とは別に支給されます。ただし、振り込まれるのは各基礎年金と同じ日、同じ口座です。
給付金は障害年金と同様非課税で、所得税や住民税はかかりません。また、支援給付金は請求しないと受給できないことを覚えておきましょう。
2. 障害年金生活者支援給付金、3つの支給要件
障害年金生活者支援給付金を受給するための主な要件は、次の3つの要件をすべて満たすことです。
- 障害基礎年金の受給者であること(障害等級3級で障害厚生年金のみの人は対象外)
- 前年所得が「479万4000円+扶養親族の数×38万円」以下であること
- 日本国内に住所を有していること(海外居住者は対象外)
障害年金を請求するときに障害基礎年金に該当するかどうかはわかりませんが、障害年金請求書と同時に支援給付金の請求書を提出するのが一般的です。障害基礎年金受給者が所得要件を満たすようになった場合は、日本年金機構から請求の案内が来ます。
3. 障害年金生活者支援給付金、年金に上乗せ「月額は1級7025円、2級5620円」
2026年度の障害年金生活者支援給付金は前年度から2.7%引き上げられ、1カ月の給付金額は障害等級によって次の通りです。
- 障害等級1級:月額7025円
- 障害等級2級:月額5620円
給付金は2カ月分がまとめて振り込まれるため、6月15日の振込額は障害等級1級で1万3626円、2級で1万900円となります。障害年金と同じように、給付金額は1級が2級の1.25倍です。
年金生活者支援給付金制度 特設サイト | 厚生労働省
ここまで、障害年金生活者支援給付金の概要と支給要件、給付金額について解説しました。次章では、受給者が多い年代とその理由を紹介します。
4. 障害年金生活者支援給付金、受給者が多いのは50歳代
厚生労働省の「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、障害年金生活者支援給付金の受給者が最も多いのは50歳代です。
障害年金生活者支援給付金の年代別受給者数
- 30歳未満:26万6276人
- 30歳以上40歳未満:31万6202人
- 40歳以上50歳未満:37万1772人
- 50歳以上60歳未満:46万8876人
- 60歳以上70歳未満:38万4626人
- 70歳以上80歳未満:26万4423人
- 80歳以上:10万4991人
- 合計:2117万7166人
受給者数は50歳代まで年代を追うごとに増加しますが、60歳代から減少しています。
5. 障害年金生活者支援給付金、50歳代の受給者が多いのはなぜ?
50歳代の受給者が多いのは、次のような複数の要因が考えられます。
- 障害年金の受給は長期間継続する傾向にあり、40代までに受給開始した人が50代になっても受給を続けている
- 脳血管疾患や心疾患、がんなど、生活習慣病による障害が高齢期に発生しやすい
- 障害等級3級であった人が加齢に伴い1級・2級に該当するケースが増える
- 65歳になると老齢基礎年金を受給できるため、老齢基礎年金を選択する人がでてくる など
近年、精神障害・知的障害による受給者の割合が高まり、受給が長期化する傾向が顕著です。日本年金機構の「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」によると、2024年度(令和6年度)の状況は次の通りです。
- 新規裁定件数に占める精神障害・知的障害の割合:67.0%
- 再認定に占める精神障害・知的障害の割合:79.1%
- 障害基礎年金の再認定率:99.6%
- 障害厚生年金の再認定率:99.6%
障害年金受給の長期化が高齢になるほど受給者数が増える大きな原因といえるでしょう。
6. おわりに
障害年金生活者支援給付金は、障害基礎年金受給者の生活を支える上乗せ給付です。2026年(令和8年)4月(初回振込は6月15日)より、振込1回あたりの金額は1級で1万3626円(月額6813円)、2級で1万900円(月額5450円)になります。
給付金の受給者は50歳代が最多となっており、60歳代以降は減少傾向にあります。その理由は、障害年金受給の長期化によって高齢になるほど受給者数が増えることや生活習慣病による障害が高齢期に発生しやすいことなど、複数の要因が考えられます。
障害年金生活者給付金は請求しなければ受け取れないため、請求漏れがないように支給要件を確認しておきましょう。
参考資料
- 日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」
- 日本年金機構「障害年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「障害年金業務統計」
西岡 秀泰