2026年度が始まって2カ月が過ぎ、新生活にも慣れてきた頃ではないでしょうか。「今年こそ資産形成を」と意気込んだものの、依然として続く物価高で家計が圧迫され、理想と現実のギャップに頭を悩ませている方も少なくないかもしれません。実は、多くの資産を築いている人々には、単に年収が高いだけでなく、収入を効率的に資産へ変えるための「合理的な習慣」が共通して見られます。
この記事では、2025年の最新調査データを基に、年収と資産のリアルな関係性を分析します。さらに、元マネースクール講師の筆者が見てきた「資産を築く人々」に共通する3つの習慣を具体的に解説しますので、ぜひ参考にしてください。
1. 富裕層「わずか3%の狭き門」165万世帯が該当する「純金融資産」階層ピラミッド
まずは、日本国内の資産保有状況を階層別に見ていきましょう。株式会社野村総合研究所が公表したデータによると、2023年時点における純金融資産保有額別の世帯数は以下のようになっています。
1.1 純金融資産5億円以上の「超富裕層」は11万8000世帯
- 超富裕層(5億円以上):11万8000世帯(資産総額135兆円)
- 富裕層(1億円以上5億円未満):153万5000世帯(資産総額334兆円)
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):403万9000世帯(資産総額333兆円)
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):576万5000世帯(資産総額282兆円)
- マス層(3000万円未満):4424万7000世帯(資産総額711兆円)
純金融資産が1億円を超える富裕層と超富裕層を合わせると165万3000世帯となり、これは全世帯の約3%に過ぎません。一方で、資産3000万円未満のマス層が最も多く、全体の約8割を占めているのが現状です。
2. 年収3000万円超の51.6%「資産1億円超」金融資産と”純”金融資産の違いとは?
次に、株式会社博報堂の博報堂富裕層マーケティングラボ(HAML)が実施した「新富裕層調査2025」を参考に、年収と資産の密接な関係について見ていきます。
ただし、データを正しく理解するために、まずは重要な用語の定義を確認しておきましょう。
この調査で用いられているのは「金融資産」という指標です。これは預貯金や有価証券などを含めた「保有資産の総額」を意味します。それに対して、先ほどの野村総合研究所の調査で使われた「純金融資産」は、資産総額から住宅ローンといった負債を差し引いた、実質的な手元に残る資産のことです。両者の違いは次のように考えると理解しやすいです。
- 金融資産:預貯金や証券など、現在保有している資産の「合計額」
- 純金融資産:保有資産から負債を差し引いた後に残る、実質的な「純粋な資産」
今回ご紹介する博報堂の調査は、この「総額(金融資産)」を基準として、高年収の世帯がどのように効率良く資産を形成しているかを分析したものです。
調査結果を見ると、世帯年収が3000万円以上の層において、金融資産1億円以上の「富裕層」が51.6%と半数を上回っていることが明らかになりました。さらに、世帯年収5000万円以上の層では、資産1億円以上が68.6%、資産5億円以上の「超富裕層」も50.7%と、いずれも過半数に達しています。
この結果から、高い収入(インカム)を元手として、合理的な判断を通じて効率的に資産を増やしている「インカムリッチ」層の実態がうかがえます。
先に紹介した野村総合研究所の調査は「純金融資産(負債控除後)」、今回の博報堂の調査は「金融資産(保有総額)」を指標としているため、定義は厳密には異なります。しかし、どちらの調査からも、高い収入を基盤に大きな資産を形成している層が確実に存在することがわかります。
〈調査概要〉
〇調査名称:「新富裕層調査2025」
○調査手法:インターネット調査
○対象者: 20~69 歳の男女計3,512名
・今回の調査では「インカムリッチ」と「ウェルスリッチ」の境となる世帯年収等、インカムリッチの中でも「世帯年収」による特徴の分析を強化することを目的に高年収世帯の対象者を拡充。
・全体で3,521サンプルのうち、世帯年収1,500万円以上のインカムリッチ層を2,009サンプル、同3,000万円以上を609サンプル、同5,000万円以上を209サンプルを確保、実際の人口構成に基づきウェイトバック集計を実施した。
○対象地域:全国
○調査時期:2025 年3月14日~25日
〇調査機関:QO株式会社

