4. 新NISAの活用例:積立後の資産を「保有し続ける」のと「途中で売却する」のではどう違う?
最後に、NISAの活用方法として2つのパターンを比較してみます。
「積立期間が終わった後も資産を保有し続けるケース」と、「途中で一部を売却しながら運用を続けるケース」です。
4.1 パターン1:積立終了後も資産を保有し続けた場合のシミュレーション
まず、毎月10万円を15年間積み立て、投資元本が1800万円になった後、追加の投資はせずにそのまま15年間運用を続けた場合のシミュレーションを見てみましょう。
このシミュレーションでは年利3%を想定しており、積立が終わった後も資産は増え続け、30年後には約3525万円に達する計算になります。
後半の15年間は追加投資をしていないにもかかわらず資産が増えているのは、利息が利息を生む「複利の効果」が働いているためです。
この結果から、できるだけ早く投資を始め、長期間にわたって資産を保有し続けることが、効率的な資産形成につながるといえます。
4.2 パターン2:途中で一部を売却し、その後も積立を継続した場合
次に、毎月5万円を積み立て、10年目に教育資金などで100万円を引き出し、その後もさらに10年間積立を継続したケースを考えてみましょう。
この場合、20年間の投資元本は合計1200万円です。
途中で100万円を売却していますが、最終的な資産額は約1500万円に達しています。
新NISAは売却益も非課税なので、子どもの進学や住宅購入といったライフイベントに合わせて、必要な資金を柔軟に引き出せるのが大きなメリットです。
途中で資産の一部を取り崩したとしても、その後も積立を続けることで、長期的な資産形成への影響を抑えることができます。
長期的な運用を成功させるためには、必要に応じて資金を柔軟に活用しつつ、家計に無理のない範囲でコツコツと続けることが、安定した資産形成の鍵となるでしょう。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/一種外務員資格(証券外務員一種)/元証券会社社員
1985年生まれ。福岡県出身。筑紫女学園短期大学英文科(現・筑紫女学園大学)を卒業後、2005年に日興コーディアル証券株式会社(現・SMBC日興証券株式会社)に入社。一種外務員資格(証券外務員一種)保有。ファイナンシャルアドバイザーとして、主に富裕層の個人顧客や法人に向けて、株式や債券、投資信託、保険商品などライフプランに寄り添った資産運用を提案する業務に従事。
現在は、株式会社モニクルリサーチのメディア編集本部・LIMO編集部に所属。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」では、人事院、内閣府(金融庁、消費者庁、こども家庭庁)、デジタル庁、総務省、法務省、財務省(国税庁)、文部科学省、厚生労働省、農林水産省(林野庁)、経済産業省(中小企業庁)、国土交通省、環境省といった官公庁の公開情報など、信頼性の高い情報をもとに厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、退職金、資産運用や貯蓄、NISA、iDeCoなどをテーマに企画・編集・執筆を行う。また、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト「LIMO&ファイナンス」でも執筆を行う。(2026年7月11日更新)
監修者
LIMO編集部銀行出身者チームは株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、メガバンクや地方銀行などの大手金融機関にて、資産運用相談や融資業務の経験を積んだ「元銀行員」の編集者が中心となり構成されている、金融専門のライティングチームです。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍しています。
LIMO編集部銀行出身者チームには株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)出身の石津大希など、資産運用アドバイザーとしての実務経験を有する編集者が在籍しており、各編集者がファイナンシャル・プランナー(FP)として、シニア層から富裕層まで幅広い層の相談に対応してきた点が強みです。
金融機関での勤務経験年数はチーム合計で20年超。表彰歴を持つ編集者も多数在籍しています。国税庁や金融庁など官公庁の公開情報をもとに、豊富な経験と知識を有するプロフェッショナル集団が、読者に正確で実践的な情報をお届けします。
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