2. 機関投資家はどう見る?「中期経営計画」と将来織り込みの構造
株価が急変動した際、プロの投資家はまず何を確認するのでしょうか。インタビュワーから「暴落相場になった時、機関投資家はどういう目線で見て、どこから分析を始めるのか」という疑問が投げかけられると、泉田氏は即座に「バリュエーション(企業価値評価)」だと回答します。
バリュエーションとは、現在の株価が企業の利益や資産に対して割安か割高かを測る尺度のことで、代表的な指標にPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)があります。
泉田氏は、このバリュエーションを使って「将来どこまで織り込んでいるのか」を考えることが重要だと語ります。
「一番このピークの時にどれくらい織り込んでて、今は何を織り込んでるのかっていうのを考えるんですよね」
ここで鍵となるのが、企業が発表する「中期経営計画」です。フジクラは現在、2026年度から2028年度に向けた中期経営計画を提示しています。
機関投資家は、この数年先の計画に基づいて、現在の株価がどれくらいの期待を前提にしているのかを逆算します。
さらに泉田氏は、プロならではの視点として、会社が発表した計画をそのまま鵜呑みにするのではなく「今の計画が保守的だったとすると、どれくらいアップサイド(上振れ余地)があって、そのアップサイドがあった時にどれくらいのバリュエーションになるのか」を検証すると解説します。
つまり、株価が急騰していた時のフジクラは、「会社が発表している計画以上に、将来もっと稼ぐはずだ」という市場の強気な期待(将来織り込み)によって支えられていた構造があったのです。
