5. 老後に資産をどう使う?「取り崩し期」と4%ルールの考え方
新NISAの話題では「どう増やすか」にばかり注目が集まりがちですが、老後を迎えると「どう使うか」が同じくらい重要になります。老後資金は、積み立てて終わりではありません。
退職後は、公的年金だけで不足する生活費を、貯蓄を取り崩しながら補っていく「取り崩し期」に入ります。実際、家計調査データを見ても、75歳以上のシニア夫婦世帯は年金だけでは生活費をカバーしきれず、毎月平均でおよそ2万7000円を貯蓄の取り崩しで補っている(赤字家計となっている)実態があります。
その際、資産を少しでも長持ちさせるための目安としてよく知られているのが「4%ルール」です。
5.1 老後資産の目安として知られる「4%ルール」
4%ルールとは、「毎年、資産残高の4%以内で少しずつ取り崩せば、長期間資産が枯渇しにくい」という考え方です。
たとえば、
- 2000万円 → 年80万円(月約6万6000円)
- 3000万円 → 年120万円(月10万円)
程度を取り崩すイメージになります。
老後は年金が収入の柱になりますが、そこに毎月数万円を資産から補填する形を想定すると、生活設計を考えやすくなります。
5.2 一括で使うより「少しずつ取り崩す」考え方
老後資金は、一度に大きく使うよりも、毎月一定額を少しずつ取り崩す方法が基本になります。
- 年金不足分だけ補う
- 医療費や介護費に備える
- 相場下落時の売却を避ける
といった形で、資産寿命を長く保ちやすくなるためです。
特に長寿化が進む現在は、「どれだけ増やせるか」だけでなく、「何年持たせられるか」という視点が重要になっています。
5.3 4%ルールをそのまま当てはめるのは注意も必要
ただし、4%ルールは海外市場の長期データをもとにした考え方であり、日本でも必ず通用するとは限りません。実際には、
- 年金額
- 持ち家か賃貸か
- 医療・介護費
- 夫婦か単身か
によって必要な生活費は大きく変わります。そのため、「4%なら安心」と考えるのではなく、自分の家計で毎月いくら不足するのかを把握することが大切です。
5.4 「増やす」だけでなく「使いながら守る」視点へ
資産形成では、「どの商品に投資するか」に目が向きがちです。しかし老後に近づくほど重要になるのは、「資産をどう取り崩し、どう長持ちさせるか」です。
新NISAは資産形成を支える制度ですが、最終的には「老後の生活費としてどう使うか」まで含めて考えることで、より現実的なライフプランにつながっていくでしょう。