5月から6月にかけては、税金や年金に関する公的な通知が届きやすい時期です。物価の上昇が続くなか、「年金だけでは生活が苦しい。生活保護は受けられるのだろうか」といった疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。

将来への漠然とした不安から、公的な支援制度について正確な知識を得たいと考えるのは自然なことです。

特に、おひとりで老後を迎える準備をしている方の中には、誰にも相談できずに「自分の将来は大丈夫か」と心配を募らせているケースも少なくないでしょう。

厚生労働省が公表した調査データ(※2024年2月時点)を詳しく見ていくと、単身の高齢者世帯が直面する厳しい生活実態と、誰の身にも起こりうる「あるリスク」が明らかになります。

老後に備える第一歩は、「ご自身の現状」と「利用できる公的制度」を正しく把握することです。本記事で一つずつ確認していきましょう。

1. 【年金と生活保護】両方もらうことは可能?知っておきたい「補足性の原理」とは

「年金を受け取っていると生活保護は利用できない」というのは、よくある誤解の一つです。

実際には、生活保護制度には「補足性の原理」という基本原則があります。これにより、年金収入があっても、その金額がお住まいの自治体で定められた最低生活費に満たない場合、差額分を生活保護費として受給することが可能です。

具体例を挙げると、最低生活費が月額13万円の地域で、ご自身の年金受給額が月額6万円だった場合、不足している「7万円」が生活保護費として支給される仕組みです。

2026年度の国民年金(基礎年金)は、満額受給でも月額7万608円です。最低生活費は地域ごとに異なりますが、基礎年金のみで生活している場合、収入が生活保護の基準を下回ることは十分に考えられます。(ただし、生活保護の受給可否は、収入だけでなく預貯金や不動産といった資産の有無、親族からの扶養が受けられないことなど、複数の要件を総合的に判断して決定されます)

注意点として、年金と生活保護を両方受け取ったとしても、支給される合計額は「最低生活費」の範囲内にとどまります。そのため、生活が著しく豊かになるわけではないことを理解しておく必要があります。