日本の公的年金制度は、「国民年金」と「厚生年金」を組み合わせた2階建ての仕組みで成り立っています。なかでも、上乗せ部分にあたる厚生年金の受給額は、老後の生活水準を大きく左右する重要な要素です。2026年度(4月分以降)の年金額は、物価や賃金の動きを反映して改定され、4年連続で引き上げられることになりました。

ただし、年金額が増えたからといって、老後への不安が解消されているわけではありません。

実際、各種調査を見ると、60歳代の単身世帯では約半数が生活費に不安を抱えており、二人以上世帯でも「十分なゆとりがある」と感じているケースは少数にとどまっています。

J-FLEC(金融経済教育推進機構)が公表した「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」でも、「年金生活にゆとりを感じない」と答えた世帯の半数超が、物価上昇による支出増を不安要素として挙げています。加えて、医療費負担の増加や将来の年金水準引き下げへの懸念も根強く残っています。

年金にゆとりがないと感じる理由1/5

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」をもとにLIMO編集部作成

こうした状況のなかで、老後生活のひとつの目安としてたびたび語られるのが「厚生年金 月15万円」というラインです。

しかし実際には、この水準以上の厚生年金を受け取っている人が、全体の中でどの程度存在するのでしょうか。

さらに、今後の暮らしに影響を与える要素として注目されているのが、2025年に成立した改正年金法です。遺族年金における男女差の見直しや、在職老齢年金制度の改正など、人生設計や働き方に関わる制度変更が進められています。

本記事では、2026年度の最新年金額の例を確認しながら、厚生年金の受給額分布や、今回の制度改正で何が変わるのかについて整理していきます。