2. モーターとインバーターがAIの「手足」になる
安川電機の主力製品であるモーターやインバーターと聞いて、「それほど新しい技術ではないのでは?」と感じる人もいるでしょう。
しかし、現代のものづくりの現場において、これらの機器には極めて高度な技術が求められています。泉田氏は、生産ラインにおける物の運搬を例に挙げ、その重要性を解説します。
「自分たちが計画した通りに運ぶとかっていう風に考えた時に、すごい細かい制御がいるんですよ。その手足になるのがまずモーターだし、その制御するのはインバーターなんですよ」
つまり、単に物を動かすための動力がモーターであり、そのモーターの回転数や速度をミリ単位で精緻にコントロールする頭脳の役割を果たすのがインバーターです。
安川電機は、この「動かす(モーション)」と「制御する(コントロール)」の基礎技術において、世界トップクラスの競争力を持っています。
そして今、この基礎技術が「フィジカルAI(物理的な実体を持つAI)」の文脈で大きな注目を集めています。近年、AIの進化は目覚ましいものがありますが、AIがどれほど賢くなっても、現実世界で物理的な作業を行うには「体」が必要です。
「もちろん考えることはAIが考えるんだけど、その考えた内容をどう表現するか。これはだからモーターがないと表現もできないし、それを自分たちが考えたように制御するにはインバーターとかが必要になってくるんですよ」
泉田氏が指摘するように、AIが導き出した最適な動作を現実世界で狂いなく再現するためには、安川電機が培ってきたモーションコントロールの技術が不可欠なのです。
