5. 知っておきたい年金制度改正の動きと今後の見直しポイント

2025年6月13日には、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」が参議院本会議で可決・成立しました。

この法改正は、働き方や家族の形、ライフスタイルの多様化に対応した年金制度の構築を目的としています。さらに、私的年金制度の充実や所得の再分配機能を強化することで、シニア世代の生活安定を図ることも重要な狙いです。

今回の改正の全体像を確認しておきましょう。

5.1 主な改正内容

年金制度改正の全体像9/9

年金制度改正の全体像

出所:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

社会保険の加入対象の拡大

  • 中小企業で働く短時間労働者などが厚生年金や健康保険に加入しやすくなり、将来の年金額が増えるといったメリットが受けられるようになります。

在職老齢年金の見直し

  • 年金を受給しながら働くシニア層の年金が減額されにくくなることで、就労意欲を高めることを目指します。

遺族年金の見直し

  • 遺族厚生年金における男女間の差をなくし、子どもが遺族基礎年金を受給しやすい環境を整えます。

保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ

  • 一定以上の月収がある方が、その賃金に見合った保険料を負担することで、現役時代の収入に応じた年金を将来受け取れるようにします。

その他の見直し

  • 子どもの加算額や脱退一時金制度の見直しも行われます。
  • 私的年金制度も見直され、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入可能年齢の上限が引き上げられます。

これらの改正内容を見ると、公的年金が単に「老後の給付額」の問題だけでなく、現役で働く世代のキャリアプランや人生設計にも深く関わっていることが理解できます。