4月も下旬に差し掛かり、新生活の喧騒もひと段落した頃でしょうか。

この時期は、落ち着いて家計や将来のライフプランを見直すのに適したタイミングといえるかもしれません。

ファイナンシャル・アドバイザーとしてご相談を受けるなかで、特に50歳代や60歳代の方からは「老後資金」に関するお悩みが寄せられることが多くあります。

その中心となるのが、やはり「公的年金」です。

今回は、2026年度の年金額改定(基礎年金1.9%・厚生年金2.0%増額)という最新情報も踏まえつつ、年金の基本的な仕組みを解説します。

さらに、現役時代の働き方が将来の受給額にどう影響するのか、「5つのライフコース別」の具体的なシミュレーションもご紹介します。

将来の安心のために、まずはご自身の年金について理解を深めてみませんか。

1. 公的年金の基本。「3つの保障」と「2階建て構造」とは?

日本の公的年金制度には、老後の生活を支える「老齢年金」以外にも、2つの大切な保障機能があります。

一つは、病気やケガによって仕事や生活に支障が出た場合に受け取れる「障害年金」です。

もう一つは、家計を支えていた方に万が一のことがあった場合に、遺された家族が受け取れる「遺族年金」です。

一般的に「年金」と聞くと、リタイア後に受け取る「老齢年金」を思い浮かべる方が多いかもしれませんね。

1.1 【基本】「国民年金」と「厚生年金」の違いをわかりやすく解説

日本の公的年金は、しばしば「2階建て構造」に例えられます。

1階部分が「国民年金(基礎年金)」、そして2階部分が「厚生年金」で構成されています。

この構造により、現役時代の働き方や加入状況が、将来受け取る年金額に直接影響を及ぼす仕組みになっています。

ここでは、「国民年金」と「厚生年金」の基本的な違いと、それぞれの「老齢年金の受給額」について確認していきましょう。

1.2 1階部分にあたる「国民年金」の概要

加入対象者は?

  • 原則として日本に居住する20歳から60歳未満のすべての方(職業や国籍は問いません)

年金保険料は?

  • 全員一律ですが、年度ごとに改定されます(※1)

老齢年金の受給額は?

  • 保険料を全期間(480カ月)納付した場合、65歳以降に満額(※2)の老齢基礎年金を受け取ることができます

※1 国民年金保険料:2026年度の月額は1万7920円です。
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2026年度の月額は7万608円です。

1.3 2階部分にあたる「厚生年金」の概要

加入対象者は?

  • 会社員や公務員のほか、パートタイマーなどで特定適用事業所(※3)に勤務し、一定の要件を満たした方が国民年金に上乗せして加入します

年金保険料は?

  • 収入に応じて変動します(上限あり)(※4)

老齢年金の受給額は?

  • 加入期間や納付した保険料額によって個人差が生じます

このように、国民年金と厚生年金とでは、加入対象者、保険料の決定方法、老齢年金額の計算方法などが異なっています。

そのため、現役時代の年金加入履歴によって、実際に受け取る老齢年金額には必然的に個人差が生まれるのです。

※3 特定適用事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まず、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業などを指します。
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率を乗じて計算されます。

1.4 2026年(令和8年)の年金支給日一覧。原則は偶数月の15日

公的年金は、原則として「偶数月の15日(※5)」に、直前の2カ月分がまとめて支給される後払い方式です。

2026年の「年金支給日」と「支給対象月」は以下の通りです。

2026年の年金支給日2/6

2026年の年金支給日

出所:日本年金機構「Q.年金はいつ支払われますか」をもとにLIMO編集部作成

  • 2026年2月13日(金):2025年12月・2026年1月分
  • 2026年4月15日(水):2月・3月分
  • 2026年6月15日(月): 4月・5月分
  • 2026年8月14日(金): 6月・7月分
  • 2026年10月15日(木): 8月・9月分
  • 2026年12月15日(火): 10月・11月分

※5 支給日の15日が土日・祝日にあたる場合は、その直前の平日に前倒しで支給されます。