3. PMIを成功に導く「PPIH流オペレーション」の正体
M&Aにおいて最も難しいとされるのが、買収後の企業統合プロセスである「PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)」です。異なる企業文化を持つ会社同士が一つになる際、多くの企業が反発や混乱を招き、失敗に終わります。
しかし、PPIHにはこのPMIを成功させる独自の仕組みがあると泉田氏は語ります。それが「PPIH流オペレーション」です。
一般的な小売チェーン(例えばコンビニエンスストアなど)は、本部がマニュアルを作り、全店舗で均一なサービスを提供する「トップダウン型」の効率化を目指します。しかし、PPIHはその真逆を行きます。
泉田氏は、PPIHがいかに現場に裁量を与えているかを次のように説明します。
「社員1人1人が店舗の採算を考えますよと。『全員参加だよ』って言ってます」
PPIHでは、店舗の従業員一人ひとりが売上や利益を管理する「商店主」のような役割を担います。本部の指示を待つのではなく、その地域の顧客層に合わせて現場が独自の判断で商品を仕入れ、価格を決め、売り場を作る「個店主義」を徹底しているのです。
さらに泉田氏は、この独特な企業文化の根底にある考え方をこう引用しました。
「失敗を許容する文化に立脚された、たくさんの挑戦ができる環境」
インタビュワーから「マニュアルで管理された会社から来た人には厳しい環境なのではないか」という疑問が出ると、泉田氏は「しんどいと思う人もいるかもしれないが、現場に任せてもらえることで仕事の喜びが変わり、面白いと思う人が残ることで会社が変わるきっかけになる」と分析しました。
この「人を信用し、現場に任せる」という強烈なDNAをOlympicの現場に注入できるかどうかが、今回の買収を成功させる最大の鍵となります。
