2. 「暴落に備えてできること」長期運用と分散投資を見直そう
数年に1度の周期で発生している以上、相場の急落は今後も起こることが想定されます。暴落に備え、私たちにできることはなんでしょうか。
2.1 衝動的な売りはNG GPIFに見る長期運用の威力
株式市場が急落したとき、思い出したいのが長期運用の効果です。これまでの相場状況では、資産の変動幅は長期になるほど小さくなる傾向がみられました。
年金積立金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2024年3月までの39年間で検証したところ、運用リターンは1年単位だと大幅な損失で終わるケースがあった一方、10年単位ならマイナスはありませんでした。
【GPIFの基本ポートフォリオのバックテスト年率リターン(最小値~最大値)】
・1年単位:-22.2%~30.7%(中央値:5.5%)
・10年単位:0.5%~8.4%(同5.5%)
※バックテスト期間:1985年4月~2024年3月
※基本ポートフォリオ…原則として国内株式・国内債券・外国株式・外国債券の均等保有
出所:年金積立金管理運用独立行政法人「第5期中期目標期間における基本ポートフォリオについて~ 詳細 ~」
この検証にはブラックマンデーや日本のバブル崩壊なども含まれます。あくまで過去の実績ですが、暴落相場を迎えても保有を続ければ損失を小さくできる可能性が示唆されています。
※これは過去の実績であり、将来の運用成果を保証するものではありません。長期運用が、必ずしも利益につながる保証はありません。
2.2 分散投資も大切 「株式だけ」はリスク高め
GPIFの例では分散投資の効果も見逃せません。GPIFは株式と債券という「資産の分散」と、国内と海外という「地域の分散」を取り入れたポートフォリオで運用しています。
そもそも、株式はリスクが高い資産ということを認識しましょう。コストの低さなどから海外株式型ファンドが人気ですが、海外株式は年率20%前後の値動きは日常です。これは、100万円の投資で1年に20万円の損失が出ることが当然に想定される水準です。
【新NISA対象ファンドの5年実績リスク(年率、2025年末)】
・国内株式型:13.3%
・先進国株式型:21.4%
・新興国株式型:17.2%
・国内債券型:2.2%
・先進国債券型(投資適格):6.4%
・新興国債券型:9.0%
※5年以上の運用実績がある国内籍公募追加型株式投資信託が対象。ETF、通貨選択型およびマネープール相当は対象外
出所:金融庁『「国内運用会社の運用パフォーマンスを示す代表的な指標(KPI)の測定と国内公募投信についての諸論点に関する分析」の公表について』
投資信託は、基本的に「銘柄の分散」は行っています。しかし、同一の資産で銘柄を分散しても、リスクを減らす効果は限定的です。暴落に備えたいなら、資産の分散と地域の分散も取り入れることを検討しましょう。