新年度がスタートし、日々の生活にも慣れてきた4月下旬、将来のライフプランについて考える方もいらっしゃるかもしれません。

「老後2000万円問題」という言葉を耳にしますが、この金額はすべての人に当てはまるわけではないことをご存知でしょうか。

実は、必要となる老後資金は、お住まいの地域や各ご家庭の経済状況によって大きく変動します。

また、世代別の貯蓄の現状を見てみると、理想と現実の間には少なからずギャップが存在することもわかります。

この記事では、地域による違いと貯蓄のリアルな実態という2つの視点から、老後資金の考え方についてわかりやすく解説していきます。

1. 「老後2000万円」は全国平均の目安。居住地で異なる老後資金のリアル

2019年に注目を集めた「老後2000万円問題」ですが、この2000万円という金額は、全国平均を基にした一つのモデルケースに過ぎません。

実際に老後に必要となる資金は、住んでいる場所によって大きく異なります。

その背景には、受給できる厚生年金の金額や、日常の暮らしにかかる物価が都道府県ごとに違うという実情があります。

一例をあげると、東京都は年金の受給額が全国で3番目に高い水準ですが、物価も全国で最も高いため、生活費の負担が大きくなります。

この結果、老後30年間で不足するとされる累計額を見ると、順位は17位の2181万円まで後退します。

その一方で、愛知県は年金額では6位であるものの、物価が比較的安価なことから、実質的な不足額では全国で2番目に少ない1694万円となり、逆転現象が起きています。

このように、老後の資金計画を立てる際には、「年金をいくら受け取れるか」という点だけでなく、「どこで暮らすか」という視点が非常に重要になります。

住む場所が違うだけで、準備すべき老後資金は数百万円から1000万円以上も変動する可能性があるのです。