年金暮らしを支える制度のひとつに、「年金生活者支援給付金」があります。

公的年金に上乗せして支給されるお金ですが、受け取るためには一定の要件を満たし、申請を行う必要があります。

2026年度は給付基準額も見直され、老齢年金生活者支援給付金は月額5620円となりました。

この記事では、給付額の目安や3種類の支援給付金の違い、申請方法をケース別にわかりやすく確認していきます。

1. 【2026年度の給付基準額】年金生活者支援給付金は最大約6万円

年金生活者支援給付金の給付基準額は、公的年金と同様に年度ごとに見直されます。

2026年度は、国民年金(基礎年金)が1.9%の引上げ、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%の引上げとなり、年金生活者支援給付金の給付基準額は3.2%引き上げられています。

年金生活者支援給付金の給付額1/6

年金生活者支援給付金の給付額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

  • 老齢年金生活者支援給付金(月額):5620円
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級7025円・2級5620円
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5620円

例えば、老齢年金の受給者が給付基準額どおりに支給される場合、偶数月の年金支給日に「1万1240円(2ヵ月分)」がまとめて振り込まれます。年換算すると、約6万7000円受け取れる計算です。

なお、2026年4月分から増額となるので、6月支給分(4月・5月の2ヵ月分)から反映されます。

※実際の受給額は保険料納付済期間などに応じて算出されるため、必ずしも給付基準額どおりに受け取れるわけではありません。

2. 年金生活者支援給付金は3種類|支給要件をチェック

「年金生活者支援給付金」ってどんな制度?2/6

「年金生活者支援給付金」ってどんな制度?

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」

年金生活者支援給付金制度には、受け取る年金の種類に応じて次の3つの区分があります。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

それぞれの支給要件を見ていきましょう。

2.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件

老齢年金生活者支援給付金の支給要件3/6

老齢年金生活者支援給付金の支給要件

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」

老齢年金生活者支援給付金の主な支給要件は以下のとおりです。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は90万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は90万6700円以下(※2)

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

2.2 「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件

「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件は以下のとおりです。

  • 障害基礎年金もしくは遺族基礎年金の受給者
  • 前年の所得(※1)が479万4000円(※2)以下

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。

3. 年金生活者支援給付金の申請方法をケース別に確認

年金生活者支援給付金は自動的に支給されるものではなく、申請しないと受け取れないお金です。

ここでは、給付金の申請方法を見ていきましょう。

3.1 すでに年金を受給している方の場合

年金受給者が新たに年金生活者支援給付金の支給要件を満たした場合、毎年9月以降に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が郵送されます。

年金生活者支援給付金請求書4/6

年金生活者支援給付金請求書

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度 」

必要事項を記入して返送しましょう。

3.2 65歳から新たに年金を受給する場合

65歳を迎えて新たに老齢基礎年金の受給を開始する際には、年金とあわせて年金生活者支援給付金も新たに申請する必要があります。

この場合、65歳の誕生日を迎える約3ヵ月前に、年金の請求書に加えて給付金の請求書も同封されて届きます。

こちらに必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金の請求書とあわせて年金事務所に提出しましょう。

65歳を迎えて新たに年金を請求する方の場合5/6

65歳を迎えて新たに年金を請求する方の場合

出所:日本年金機構「65歳の誕生日を迎える方で、老齢基礎年金を新規に請求する方」

3.3 年金を「繰上げ受給」している場合

年金受給者の中には「繰上げ受給」を選択し、65歳を迎える前に受け取っている方もいらっしゃるでしょう。

繰上げ受給者が年金生活者支援給付金の支給要件を満たした場合、下記のように黄色の封筒が送付されます。

また、2025年1月以降に65歳を迎え、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届いた方は、電子申請を利用できるようになっています。

この場合は、郵送での提出は不要となるため、「郵送」または「電子申請」どちらか好きな方法で手続きが可能です。

4. まとめ

2026年度の年金生活者支援給付金は3.2%引き上げられ、老齢・遺族は月額5620円、障害は1級7025円、2級5620円となりました。

老齢年金生活者支援給付金が基準額どおり支給される場合、年額は約6万7000円になります。

ただし、年金生活者支援給付金は自動で支給されるものではなく、申請が必要です。老齢・障害・遺族の3種類があり、それぞれ所得や年金の種類などに応じた要件が定められています。

すでに年金を受給している人、65歳から新たに年金を請求する人、繰上げ受給をしている人では手続き方法が異なるため、自分がどのケースに当てはまるかを確認し、案内が届いたら早めに対応しましょう。

参考資料

加藤 聖人