7. まとめにかえて:制度理解を踏まえた医療費との向き合い方
後期高齢者医療制度の窓口負担割合は、所得水準や世帯構成によって決まりますが、制度を取り巻く環境は今後さらに大きく変化していくことが予想されます。
まず、2026年(令和8年)4月からは新たに「子ども・子育て支援金」の徴収が開始されることが決定しており、後期高齢者医療制度においても、被保険者1人あたり月額およそ200円程度(※試算額)が保険料に上乗せされることになります。
そして、今後のシニア家計にとってさらに大きな懸念材料となり得るのが、「医療費の窓口負担割合」の引き上げです。
2026年4月28日に開かれた財務省「財政制度等審議会」の分科会では、長寿社会にふさわしい医療保険制度を構築するため、現在1割または2割負担が大多数を占めている高齢者の自己負担割合について、「原則3割負担」へと引き上げるべきとの提言もなされています。
そう遠くない将来、医療費の窓口負担が大きく増加する可能性は決して否定できません。少子高齢化が加速する中で、医療保険料や自己負担のルールは常に変わり続けています。
制度の仕組みや変更点を正しく理解し、こうした医療費の増加も織り込んだ余裕のある家計シミュレーションを行っておくことが、老後の安心を守る強固な基盤となるでしょう。
※支援金額は、お住まいの都道府県後期高齢者医療広域連合が定める条例に基づき、個人の所得等に応じて決まります。支援金額の月額についてはお住まいの市町村にお問い合わせください。なお、後期高齢者医療広域連合ごとに支援金に係る保険料率が異なります。また、令和8年4月分からの拠出となりますが、具体的な徴収開始時期はご加入の広域連合にお問い合わせください。
参考資料
- 生命保険文化センター「生活保障に関する調査」2025(令和7)年度
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」
- 政府広報オンライン「後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?」
- 厚生労働省「後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)」
- 厚生労働省「令和5年度 国民医療費の概況」
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」
- 財務省「持続可能な社会保障制度の構築(財政各論Ⅱ)」(2026年4月28日)
マネー編集部社会保障班
