4. 【75歳以上 後期高齢シニア夫婦】月2万円の赤字が続くと資産はどうなるのか?
4.1 貯蓄が支える期間の目安
これまで見てきた通り、後期高齢シニア夫婦の家計は、年金収入から税金や社会保険料が差し引かれることで、平均すると毎月およそ2万7000円の赤字となっています。
この不足分は、貯蓄を取り崩すことで補われているのが現状です。
仮にこの赤字が毎月続いた場合、年間では32万4000円の不足となります。単純計算では、平均貯蓄額2392万円は約73年分に相当します。
ただし、この試算をそのまま現実に当てはめるのは注意が必要です。
4.2 家計調査に表れにくい支出がある
家計調査に示されている支出は、あくまで通常の生活を前提とした平均的なものです。
入院や手術に伴う自己負担、介護サービスの利用料、施設入所費用など、老後に発生しやすい高額な支出は十分に反映されていません。
こうした費用が重なれば、赤字額は一時的に月数万円から、場合によっては十数万円規模に膨らむ可能性もあります。
また、2392万円という貯蓄額は平均値に過ぎず、すべての世帯が同じ水準の資産を持っているわけではありません。
平均を下回る世帯では、赤字を補える期間は大きく短くなります。「平均があるから安心」とは言い切れない現実がある点に注意が必要です。
著者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。
専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年2月12日更新)
監修者
マネー編集部社会保障班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに社会保障制度や社会福祉、公的扶助、保険医療などをテーマに関する記事を執筆・編集・公開している。
マネー編集部社会保障班は、地方自治体職員出身の太田彩子、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子など、豊富な経験と知識を有した編集者で構成されている。表彰歴多数の編集者も複数在籍。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務や、国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担った実務経験者も在籍している。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年8月26日)