新年度がスタートし、日々の暮らしにも変化が訪れる4月中旬、依然として物価の上昇は家計に影響をおよぼしています。
このような状況を受け、国が推進する「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用し、各自治体が独自の生活支援策を打ち出しています。
支援というと、多くの方が銀行口座への現金振込を思い浮かべるかもしれません。
しかし、自治体によっては地域経済の活性化も視野に入れ、「商品券」や「電子ポイント」といった形で支援を行うケースも増えています。
本記事では、東京都内の5つの区(墨田区・江東区・中央区・目黒区・板橋区)で実施されている、商品券などによる支援策を紹介します。
あわせて、多くの支援制度で対象となる「住民税非課税世帯」の基準についても、後半で詳しく解説していきます。
1. 現金給付だけじゃない!商品券やポイントで支援する自治体の独自策5選
それでは、東京都内の5区が実施している、独自の生活応援事業を具体的に見ていきましょう。
全世帯や全区民を対象とした、手厚い支援策も少なくありません。
1.1 【墨田区】区民生活応援事業の概要
この事業は、区内のすべての世帯を対象として商品券などを配布するものです。
紙の商品券である「全国共通おこめ券9680円分」か「Visaギフトカード1万円分」、または「QUOカードPay」や「こども商品券e-Gift」といった各種デジタル商品券(各1万円分)の中から、希望のものを一つ選び、専用フォームなどから申し込む形式です。
1.2 【江東区】暮らし応援給付事業の内容
江東区では独自の支援策として、5000円相当の「マイナポイント」か「区内共通商品券(こうとう商店街DEお買い物券)」のどちらか一方が給付されます。
対象者は、令和8年1月1日時点で江東区に住民登録があり、かつ平成19年(2007年)4月1日以前に生まれた方です。
対象の方には案内はがきが送付され、マイナポイントと区内共通商品券を両方受け取ることはできない仕組みです。
また、児童手当の受給対象者には、子ども(0歳から高校生相当の年齢)1人あたり2万円の物価高対応子育て応援手当も支給されています。
1.3 【中央区】区民の生活応援買物券について
中央区では、すべての区民を対象に、1人につき5000円分(500円券10枚綴り)の「区内共通買物・食事券」が配布されます。
この支援は事前の申請手続きが不要な点が特徴です。
なお、過去に実施された施策とは異なり、今回の物価高騰対策では「おこめ券」の配布は行われない予定です。
1.4 【目黒区】めぐろみんなの食卓応援サポートとは
目黒区では物価高騰への対策支援として、区民1人あたり3000円分の電子ポイント、または「目黒区商店街商品券 5000円分」を配布しています。
支援を受けるには、送られてくる申込書に同封されたカタログの案内に従い、オンラインか郵送で申請することが必要です。
1.5 【板橋区】いたばし区民生活応援事業の詳細
板橋区では、年齢や所得による制限を設けず、基準日(令和8年1月1日)時点で区の住民基本台帳に記録されている区民を対象に、1人あたり1万円分の「バニラVisaギフトカード(プリペイド型)」を配布します。
カードは1世帯に1枚、対象となる家族の人数分の金額が合算チャージされた状態で届けられます。
この支援も事前の申請は不要で、4月下旬から7月末にかけて、世帯主宛に順次発送される予定です。
2. 支給対象が「住民税非課税世帯など」に限定される自治体の事例
ここまで紹介した5区の事例のように「全区民・全世帯」を対象とする支援策がある一方で、国や自治体が実施する給付金の多くは「住民税非課税世帯」を対象とするケースが一般的です。
例えば、同じ「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用した支援であっても、江戸川区や世田谷区などでは、住民税非課税世帯などに限定して現金を給付しています。
2.1 江戸川区における給付金の事例
- 住民税非課税世帯:1世帯あたり3万円
- 住民税均等割のみ課税世帯:1世帯あたり1万円
2.2 世田谷区における給付金の事例
- 令和7年度住民税非課税世帯および均等割のみ課税世帯:1世帯あたり2万円
口座情報が登録されている世帯などには自動的に振り込まれますが、確認書や申請書が送付された場合は、自身で手続きを行う必要があるため注意しましょう。
住民税非課税世帯とは、文字通り「世帯にいる全員の住民税(均等割・所得割)が課税されていない世帯」を指します。
住民税が非課税となるのは、主にこれから説明する条件のいずれかに該当する場合です。
どのような要件で非課税となるのか、確認しておきましょう。
3. 給付金の対象となる「住民税非課税世帯」とは?その基準を解説
住民税非課税世帯とは、世帯を構成する全員の住民税が非課税である世帯のことです。
主な要件は以下の通りです。
- 生活保護法による生活扶助を受けている方
- 未成年者、寡婦、ひとり親、または障害者の方で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与収入のみであれば年収204万4000円未満)の場合
- 前年の合計所得金額が、お住まいの自治体が設定する基準額以下の方(例として東京23区の単身者の場合、前年の合計所得金額が45万円以下、給与収入のみなら100万円以下が目安となります)
上記の1と2の条件は全国共通ですが、3の所得基準額は自治体によって変わります。
例えば東京都23区では、単身世帯の場合、給与収入のみの方は年収100万円以下、65歳以上で公的年金等の収入のみの方は年金収入155万円以下が目安です。
65歳以上の年金生活者の方が基準額は高めに設定されているため、高齢になるほど住民税非課税世帯の割合は高くなる傾向が見られます。
厚生労働省が公表した「令和6年国民生活基礎調査」によると、住民税が課税されている世帯の割合を年代別に見ると、以下のようになっています。
- 29歳以下:63.0%
- 30~39歳代:87.5%
- 40~49歳代:88.2%
- 50~59歳代:87.3%
- 60~69歳代:79.8%
- 70~79歳代:61.3%
- 80歳以上:52.4%
- 65歳以上(再掲):61.1%
- 75歳以上(再掲):54.4%
住民税が「課税される」世帯の割合は、65歳以上で61.1%となり、70歳代以上では50~60%台にまで下がります。
特に80歳以上では約52%まで低下しており、年齢が上がるにつれて住民税非課税世帯の割合が増加することがデータから読み取れます。
ご自身の世帯が課税対象かどうかわからない場合は、毎年6月頃に自治体から送られてくる「住民税の決定通知書」や「納税通知書」で確認できます。
もし急いで確認したい場合は、役所の窓口で「非課税証明書」を有料で発行してもらう方法もあります。
4. まとめ
本記事では、東京都内の5区が実施する「商品券やポイント」を活用した独自の支援策と、住民税非課税世帯の基本的な知識について解説しました。
国が一律で行う現金給付以外にも、お住まいの地域によってはギフトカードや地域限定の商品券といった形で、手厚い支援が用意されていることがあります。
これらの支援の中には申請が必要なケースもあるため、受け取り漏れがないように、自治体の公式サイトや郵送物をこまめに確認することをおすすめします。
※金額等は執筆時点の情報に基づいています。
※当記事は再編集記事です。


