2. なぜ今、化石燃料が再評価されているのか?
かつては環境問題の観点から厳しい視線にさらされていた化石燃料ビジネスですが、現在その潮目は大きく変わりつつあります。
その背景にあるマクロ環境の変化について、泉田氏は次のように語ります。
「世の中クリーンエネルギーだけではエネルギーを賄えないとか、クリーンエネルギーのコストが高いというのがだんだん分かってきて、化石燃料も必要だねって見直されてきたところもあると思うんです。」
太陽光や風力といったクリーンエネルギーは、天候に左右されやすく、安定した発電量とコスト面で限界があることが各国の共通認識となってきました。
さらに、この状況に拍車をかけているのが、テクノロジーの急速な進化です。
「生成AIが急に立ち上がっちゃったもんだから、それに必要な電力どう調達するのってなると、やっぱり火力発電っていうのが一番手っ取り早いんですよ。」
通常、国の電力需要はGDP(国内総生産)の成長に連動して緩やかに増加します。
しかし、生成AIの普及やデータセンターの急増により、先進国を中心に莫大な電力需要が突発的に生まれました。
この急激な需要増に即座に対応できるのは、天候に依存せず安定して大量の電力を生み出せる火力発電(化石燃料)だというわけです。
さらに泉田氏は、INPEXにとって非常に有利な市場構造があることを指摘します。
同社がビジネスを展開する太平洋沿岸地域(アジアからアメリカ西海岸まで)では、LNGの需要が供給を圧倒的に上回る「供給不足」の状態にあります。
需要が急増するエリアにしっかりと資源を供給できる体制を持っていることが、INPEXの事業基盤の強固さを示しています。
