2. 何が変わる?2026年診療報酬改定のポイント

今回の改定では、

  • ベースアップ評価料の水準等の見直し
  • 物価対応料の新設
  • 電子的診療情報連携体制整備加算の新設
  • 入院基本料等の引き上げ、入院時の食費・光熱水費の見直し

が含まれています。

たとえば、上記の「ベースアップ評価料水準等の見直し」は、賃上げや物価上昇への対応を目的とした見直しで、これにより窓口での自己負担が、数十円から数百円ほど増えるケースも出てきます。

今回の改定は、医療を支える人材確保と、医療機関の運営を維持するための費用を、診療報酬を通じて支える仕組みだといえます。

では、具体的に各項目を見ていきましょう。

2.1 「ベースアップ評価料」の水準等の見直し

ベースアップ評価料とは?

今回、患者が最も目にしやすい新項目のひとつが「ベースアップ評価料」です。この評価料は、医療機関が継続的に人件費を確保しやすくするための仕組みで、医療従事者の賃上げを支援するために2024年度に新設されました。

ベースアップ評価料の算定には届出が必要で、医療機関ごとに対応が分かれます。診療明細書に、この記載があれば実際には賃上げ支援のための制度であると理解しましょう。

今回の改定では、点数が大きく見直されています。

初診時:(現行)6点 → (改定後)17点
再診時:(現行)2点 → (改定後)4点
訪問診療時(同一建物居住者以外):(現行)28点 → (改定後)79点
訪問診療時(上記以外):(現行)7点 → (改定後)19点

さらに、新規に届け出る医療機関と既に届け済みの医療機関で加算される点数が異なります。

既に届け出済みの医療機関の方が診療報酬が高くなっていることがわかります。そのため、患者側の負担もその分大きくなる可能性があります。

2.2 「物価対応料」の新設

今回の改定では、令和8年および9年度の物価上昇に段階的に対応するため、新たに物価対応料が新設されます。

【外来・在宅物価対応料】
初診時:(令和8年)2点 → (令和9年)4点
再診時:(令和8年)2点 → (令和9年)4点
訪問診療時:(令和8年)3点 → (令和9年)6点

3割負担なら、令和8年の初診では6円、令和9年は12円の自己負担増に相当します。

2.3 「電子的診療情報連携体制整備加算」の新設

今回の改定では、「電子的診療情報連携体制整備加算」が新設され、従来の加算体系が整理され、電子的な情報連携やオンライン資格確認など、医療機関側のデジタル対応を評価する仕組みがより明確になりました。

電子的診療情報連携体制整備加算の新設4/4

電子的診療情報連携体制整備加算の新設

出所:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について【全体概要版】」

たとえば「マイナ保険証の利用率が30%以上」であることなど、医療機関が満たす基準項目範囲に応じて、電子的診療情報連携体制整備加算1、加算2、加算3のいずれかが算定されます。

評価されるのは、患者個人がその場で何を選んだかというより、医療機関がどこまでデジタル環境を整えているか、診療情報を活用できる体制があるかという点です。