3. NISAの注意点「損益通算」と「繰越控除」が利用できない税制上のデメリット

通常の課税口座(特定口座など)では、投資で損失が発生した場合、「損益通算」や「3年間の繰越控除」といった制度を利用できます。

これらは他の投資で得た利益と損失を相殺し、税金の負担を軽くするための仕組みです。

しかし、NISA口座で発生した損失は、税法上「存在しないもの」とみなされます。

そのため、損益通算や繰越控除といった救済措置の対象外となります。

例えば、NISA口座で100万円の損失が出たとしても、他の課税口座で得た利益と相殺して税金を減らすことはできないのです。

NISAの「非課税」という大きなメリットは、あくまで利益が出た場合にのみ受けられる恩恵です。

損失が発生した際には、課税口座よりも実質的な負担が大きくなる可能性があることを理解しておく必要があります。

「NISAだから安心」と考えて過大なリスクを取るのではなく、この税制上の特性を正しく理解することが大切です。

家計に無理のない範囲で投資を行い、制度の制約に影響されすぎない資産管理を心がけましょう。

4. NISAとの上手な付き合い方

この記事では、「NISA貧乏」という言葉の背景にある実態と、NISAの税制上の注意点について解説しました。

新NISAが始まって3年目、利用者の9割以上が利益を上げている一方で、約4割の人が「投資資金の捻出」に困難を感じているという実情があります。

資産運用は、あくまで人生を豊かにするための「手段」であり、それ自体が「目的」ではありません。

物価の上昇が続くいまだからこそ、一度立ち止まって、現在の積立額がご自身の家計にとって適切かどうかを見直してみてはいかがでしょうか。

※当記事は再編集記事です。

参考資料

マネー編集部NISA班