桜のつぼみがほころび、新年度の慌ただしさが落ち着き始めた2026年4月。心機一転、資産運用に力を入れようと考えている方も多いのではないでしょうか。2025年12月末時点でNISA口座数は2826万口座を突破。累計買付額も71兆円を超えるなど、資産形成は国民的な広がりを見せています。
しかし今、SNSでは「NISA貧乏」という穏やかでない言葉が飛び交っています。運用は順調なはずなのにお金が残らないのはなぜ?今回は最新の調査データをもとに、NISA利用者が陥りやすい「心理的罠」と、損失時に牙をむく「税制の盲点」を優しく解き明かします。
1. 「NISA貧乏の正体」平均的な「月5000円」運用から見える家計のリアル
「投資のしすぎで生活が苦しい」という声がある一方で、マクロデータからは意外な姿が浮かび上がります。2025年「二人以上の世帯のうち勤労者世帯」における、毎月の家計収支をみていきましょう。
1.1 勤労者世帯の家計収支(2025年平均)
総務省の家計調査によると、二人以上の勤労者世帯の平均的な家計収支は以下の通りです。
- 可処分所得(手取り): 約53.2万円
- 黒字(生活費を引いた残り): 約18.6万円
注目すべきは、その「黒字」が何に充てられているかです。実際に増えた金融資産(約19.4万円)の内訳を見ると、約17.7万円が「預貯金」であり、NISAを含む「有価証券」への純増額(新たに購入した額から売却額を引いたもの)は、月平均で約5000円という結果になっています。
平均的な世帯で見れば、資産形成の主役は依然として「預貯金」であり、統計上は「NISAに全振りして生活が破綻している」世帯がマジョリティ(主流)とは言えないのが現実です。


