年金は65歳から受け取れる代表的な収入源ですが、それ以外にも60歳以上が対象になる公的な給付がいくつも用意されています。共通するのは、いずれも「申請しないと1円も振り込まれない」という点です。
たとえば加給年金は要件を満たせば年額最大42万3700円が上乗せされますが、自動的には支給されません。
そこで本記事では、60歳以上が老齢年金とは別に受け取れる主な給付5つを取り上げ、2026年度(令和8年度)時点の支給額と対象条件、2025年6月に成立した社会保険適用拡大の影響まで解説します。これから申請を検討する際の参考にしてみてください。
1. 加給年金:配偶者がいる人の「家族手当」最大42万3700円
加給年金は、厚生年金の被保険者期間が20年以上ある人が65歳に到達した時点で、生計を維持している「65歳未満の配偶者」または「18歳年度末までの子(1級・2級の障害の状態にある場合は20歳未満の子)」がいる場合に上乗せされる給付です。年金版の家族手当と考えるとイメージしやすい仕組みです。
2026年度(令和8年度)の支給額は、配偶者分が年額24万3800円。これに受給権者の生年月日に応じた特別加算が加わり、1943年4月2日以降生まれの人は最大17万9900円の特別加算を受け取れます。合計すると配偶者分だけで年額最大42万3700円になります。
加給年金には終わりがあります。配偶者が厚生年金(期間20年以上※)の老齢年金や障害年金の受給権を得た時点(令和4年4月以降は、在職中などで実際に年金を受け取っていなくても権利がある場合を含む)で支給は停止され、配偶者が65歳に到達した時点で終了します。
その後は、配偶者本人の老齢基礎年金へ「振替加算」として一部が引き継がれます(※振替加算の受け取りには配偶者の生年月日制限がありますが、現在のシニア世代の多くは対象となります)。
※共済組合等の加入期間を除いた期間が40歳(女性は35歳)以降15年〜19年以上の場合なども含みます。
