新年度を迎え、年金が2026年度基準へ変更されたり、子ども・子育て支援金制度が開始したりと、お金に関するさまざまな動きが見られます。6月には、今年度の住民税の徴収が始まる予定です。

住民税額は、自治体から送られてくる「住民税決定通知書」で確かめられます。住民税額自体が気になる人もいれば、ふるさと納税による税控除や医療費控除による控除額がいくらだったのか確かめたい人もいるのではないでしょうか。

ふるさと納税による税額控除や医療費控除が正しく反映されているかどうか、住民税決定通知書で確かめるべきポイントを解説します。

1. いつ届く?住民税決定通知書の仕組み

住民税は、前年1月1日から12月31日までの1年間の所得をもとに計算します。所得割として課税所得の10%、均等割および森林環境税として5000円をあわせて徴収するのが一般的です。この住民税について詳しく掲載された書類が「住民税決定通知書」です。

住民税決定通知書には、具体的な税額や控除、前年の収入などが記載されています。通常5月〜6月にかけて、給与から住民税が天引きされる人は勤務先から、納付書で住民税を納める人は居住する自治体から送付されます。

住民税に関する基本情報が網羅されているため、届いたら忘れずに目を通しておきましょう。

次章からは、住民税決定通知書の詳細な見方を解説していきます。

2. 【ふるさと納税】「摘要欄」や「税額控除額」をチェック

ふるさと納税は、居住地以外の自治体に寄附をすることで、自治体独自の返礼品が受け取れ、翌年の所得税や住民税が控除される制度です。多くの人が利用したことがあるのではないでしょうか。

ふるさと納税による控除額を確かめる際は、通知書の「摘要欄」や「税額控除額」を確かめましょう。自治体によって通知書の体裁や形式は異なりますが、どちらかを確認すれば控除が反映されているかどうかをチェックできます。

摘要欄に記載されている場合は「寄附金税額控除額:◯◯円」のように、実際に控除された税額が直接記載されるのが一般的です。たとえば、東京都北区では、通知書の所定の枠にふるさと納税による控除について記載されるようになっています。

通知書の各項目2/4

通知書の各項目

出所:北区「住民税額の通知」

一方、税額控除額を見る際は「寄附金税額控除額」など寄附金控除に関して記載されている欄を確認してください。

あるいは「ふるさと納税の寄附額-2000円」が税額控除額の合計額と一致していれば、控除が適用されていると判断できます。住宅ローン控除や医療費控除など、ほかの控除が適用されている場合は、この方法で確認すると金額を見誤る可能性があるため、注意しましょう。また、ふるさと納税をした翌年に確定申告をしている場合は、所得税からも税控除されるため、上記の方法での金額確認はできません。

次章では、医療費控除が反映されているか確かめる方法を解説します。

3. 【医療費控除】「所得控除」をチェック

1年間で一定額以上の医療費を支払った場合には「医療費控除」として「保険金の補填分を除くかかった医療費-10万円」(所得200万円未満の人は総所得の5%)が所得から差し引かれます。控除が適用されているか確かめるには、住民税決定通知書の「所得控除」について記載されている欄を見てみましょう。

所得控除は、医療費控除のほかにもさまざまな種類があります。社会保険料控除や生命保険料控除、配偶者控除など控除の種類は多岐にわたりますが、そのなかに「医療費控除」や「医療費」などと書かれた欄が存在します。この欄に金額が記載されていれば、所得から一定額が差し引かれていると判断できます。

通知書の各項目2/4

通知書の各項目

出所:北区「住民税額の通知」

注意したいのは、記載されている金額が「税控除額」ではない点です。医療費控除は所得から一定額が差し引かれる「所得控除」のひとつです。税額は控除後の所得に対して税率を掛けて算出するため、医療費控除として記載されている金額分だけ税負担が減るわけではありません。

医療費控除の金額自体が正しいかどうか確かめたい際は、確定申告書の控えと住民税決定通知書を見比べ、金額が同じかどうか見てみるとよいです。

次章では、控除が反映されていなかった場合の対処法を解説します。

4. 控除されていない場合の対処法は?

もし住民税決定通知書を見ても控除額が記載されておらず、税額が当初のままになっている場合は、確定申告書の控えを見直してみるか、行政窓口に問い合わせてみましょう。

とくに気をつけたいのが「ふるさと納税でワンストップ特例制度を利用後に、医療費控除のために確定申告をした場合」です。

ワンストップ特例制度とは、会社員などの給与所得者がふるさと納税をする際、5自治体までなら確定申告不要で控除を受けられる制度です。特例の申請書を提出した後に別途なんらかの理由で確定申告をした場合、特例が無効になり、ふるさと納税の寄附についても申告手続きが必要になります。

「医療費控除の手続きをした結果、ふるさと納税のワンストップ特例制度が無効になってしまった」といったパターンは、控除漏れが起きやすいため、確定申告の際には忘れずに両方の控除について手続きするようにしてください。

ふるさと納税や医療費控除の手続きを適切に行ったにもかかわらず、控除額が反映されていない場合は、行政側で手続きに誤りが生じている可能性があります。

この場合は、速やかに担当窓口に相談し、払い過ぎた分が戻ってくるのを待ちましょう。

5. まとめ

住民税決定通知書には、さまざまな情報が記載されており、簡単に目を通すだけではすべての事項を把握できません。見るべきポイントを絞ることで、控除が適切に反映され税負担が軽減されているか判断できるようになります。

確定申告書との間にズレが生じているなど、不明な点がある場合は自治体の担当窓口に相談してみましょう。

参考資料