4. 公的年金の「3つのよくある誤解」
ここからは、公的年金制度についてよくある3つの誤解を取り上げ、その内容を解説していきます。
4.1 誤解その1:公的年金制度は将来破綻する?
日本の公的年金制度には、「マクロ経済スライド」という仕組みが取り入れられています。
これは、少子高齢化の進行や平均寿命の延伸といった社会情勢の変化に応じて、年金の給付水準を自動で調整する仕組みです。
このように、年金財政のバランスを長期的に維持する仕組みが組み込まれているため、制度が破綻して年金が全く支給されなくなるという事態は考えにくいでしょう。
したがって、重要な論点は「制度が破綻するか否か」ではなく、「将来的にどの程度の給付水準を維持できるか」という点にあるといえます。
4.2 誤解その2:年金保険料は今後も上がり続ける?
厚生年金の保険料率は、2017年に上限である18.3%に達して以降、その水準で固定されています。
制度上、保険料率が際限なく引き上げられる設計にはなっていません。
加えて、近年は女性や高齢者の就労参加が進んだことで保険料収入が増加し、年金積立金は当初の予測を約70兆円も上回る見込みです。
これらの事実からも、年金制度は単に現役世代の負担が増え続けるだけのものではない、ということを理解しておくことが重要です。


