障害年金は一度認定されると「一生涯もらえる」とは限りません。認定から一定期間経過後に障害状態のチェックを受け、支給停止となるケースもあるからです。障害年金受給者の中には、「更新は何年ごとが多いの?」「更新手続きは?」などの疑問を感じている人もいるでしょう。
本記事では、障害年金の更新期間について解説します。筆者は社会保険労務士ですが、更新手続きや更新に関するよくある質問への回答も紹介しますので、受給中の人は確認してみてはいかがでしょうか。
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1. 【障害年金】更新は5パターンあり!96.7%は「前回等級のまま継続」
障害年金の更新とは、障害認定の一定期間経過後に診断書を提出して、障害の状態をチェック・再認定してもらうことです。更新用の診断書を「障害状態確認届」と呼びます。
更新期間は、障害の種類や状態によって1年・2年・3年・4年・5年の5パターンがあります。一定期間ごとに障害状態の確認(再認定)が必要な認定方式を「有期認定」、更新の必要のない認定方式を「永久認定」といいます。
再認定によって、障害等級が変更されたり支給停止されることもあります。ただし、日本年金機構の「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」によると、再認定で等級変更や支給停止になるケースはあまり多くありません。
- 前回等級のまま継続:96.7%
- 増額(等級アップ):1.4%
- 減額(等級ダウン):0.8%
- 支給停止:1.1%
2. 【障害年金】新規裁定者の更新「2年・3年・5年」が多い!再認定だと更新どうなる?
障害年金の更新期間の傾向は、新規裁定時(初回申請時)と再認定時で異なります。前述の「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」より、更新期間を見ていきましょう。
2.1 新規裁定時は2年・3年・5年が多い
新規裁定時の更新期間は、次の通り「2年」「3年」「5年」の割合が30%弱でほぼ同率です。永久認定の割合は1割を切る状況です。
2.2 再認定時は3年・5年が多い
再認定時の更新期間は、「2年(6.1%)」が大幅に減少し、「3年(36.2%)」と「5年(37.2%)」が増えています。再認定を経て障害の状態(症状の変化や継続性など)をより詳しく把握できるようになるため、更新期間が長期化する傾向にあります。
2.3 障害等級が高くなるほど更新期間は長くなる
再認定時の更新期間を年金種類別・障害等級別に見ると、次の通り障害等級が高いほど、更新期間が長いことがわかります。特に、障害等級1級受給者のうち永久認定の割合は、障害基礎年金で40%以上、障害厚生年金で30%以上という状況です。
ここまで、障害年金の更新の仕組みや、実際の更新期間の状況について解説しました。次章では、障害年金の更新手続きと更新に関するよくある質問に対する回答を紹介します。
3. 【障害年金】更新手続き「必要書類」はどんなものを準備する?
障害年金の更新時期は、認定時または再認定時に交付される以下の書類で確認できます。
- 初回認定時:年金証書の「次回診断書提出年月」欄
- 再認定時:「次回の診断書の提出について(お知らせ)」
更新時期を忘れていても、「障害状態確認届(診断書)」が送付されるので安心です。障害状態確認届は誕生月の3ヶ月前の月末に日本年金機構から送付されます。誕生月の末日が提出期限となるため、障害状態確認届が着いたら病院に診断書の作成を依頼しましょう。
注意点は、診断書に「提出期限の前3ヶ月以内の障害状態」を記載してもらうことです。また、病院によっては診断書の作成に1ヶ月以上かかることもあるため、早めに手配することも重要です。
4. 【障害年金】更新に関するQ&A
障害年金の更新について、よくある質問をQ&A形式で回答します。
4.1 Q1.障害状態確認届(診断書)の提出が遅れたらどうなる?
A1.提出期限を過ぎると、年金の支払いが一時的に停止されます。ただし、遅れて提出して再認定された場合、一時停止された分は原則遡って支給されます。再支給までには数カ月かかるため、提出期限は厳守しましょう。
4.2 Q2.現在通院していませんが診断書はどうすればいい?
A2.前回認定時に診断書を作成してもらった病院などで診察を受け、診断書を記載してもらいましょう。病院の指定はないため初めての病院で診断書を記載してもらってもいいですが、これまでの病状や治療内容を知っている医師の方が安心できるでしょう。
4.3 Q3.更新で等級が下がることや支給停止になることはある?
A3.等級が下がったり支給停止になったりする可能性はありますが、「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」によると、更新手続きした人のうち96.7%は前回等級のまま継続となっています。
ただし、症状や日常生活、就労の状況が改善した場合、等級が下がることもあります。
5. おわりに
障害年金の更新期間は、障害の種類や状態によって1年・2年・3年・4年・5年の5パターンです。
新規裁定時の更新期間は2年・3年・5年の割合が30%弱でほぼ同率ですが、再認定時は更新期間が長期化し、3年(36.2%)と5年(37.2%)が多くなります。
更新手続きには、「提出期限の前3ヶ月以内の障害状態」を記載した医師の診断書(障害状態確認届)が必要です。自身の更新時期を把握するとともに、日本年金機構から更新の案内が届いたらすぐに対応できるように準備しておきましょう。
参考資料
西岡 秀泰