3. 老後資金の盲点、生活費以外に潜む「2つの大きな支出」とは?

最新の赤字額を基に、65歳から95歳までの30年間でどれくらいの資金が不足するのか、改めて計算してみましょう。

3.1 生活費の不足分(30年間)

毎月の赤字額から30年間の不足分を計算すると、以下のようになります。

  • 夫婦世帯:4万2434円 × 12カ月 × 30年 = 約1528万円
  • 単身世帯:2万9980円 × 12カ月 × 30年 = 約1079万円

この結果だけを見ると「約1500万円あれば足りるのか」と思うかもしれませんが、注意が必要です。

この試算には、突発的に発生する大きな支出が含まれていないという点が落とし穴になります。

3.2 介護費用と緊急予備資金という「盲点」

老後資金を計画する際には、毎月の生活費だけでなく、介護費用や住宅の維持費といった見落としがちな項目も考慮に入れる必要があります。

1. 介護費用の現実

生命保険文化センターの「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」によれば、1人あたりの介護にかかる費用は以下のようになっています。

  • 一時費用(住宅改修等):平均47万円
  • 月額費用:平均9万円 × 平均期間55カ月 = 495万円
  • 合計:約542万円(1人あたり)

2. 緊急予備資金

30年という長い期間には、住宅のリフォームや家電の買い替え、冠婚葬祭への出席など、さまざまな臨時出費が考えられます。

こうした事態に備え、年間10万円程度の予備資金を確保しておくと、30年間で300万円の準備が必要になります。