3. 3割負担になる年金収入の目安はいくら?

結論から申し上げますと、自己負担割合が3割になる年収は、単身世帯で383万円以上、二人以上世帯で520万円以上が目安です。

前章で解説したように、後期高齢者医療制度で医療費の自己負担割合が3割になるのは、同じ世帯の後期高齢者医療制度の加入者の中に、課税所得が145万円以上ある「現役並み所得者」がいる場合です。

課税所得145万円は年収ベースで見ると、単身者の場合は約383万円以上、複数人世帯の場合は約520万円以上が目安です。

つまり、収入が年金のみの場合、単身世帯は年間383万円以上を、二人以上世帯は年間520万円以上受給していると、原則として3割負担になります。

ただし、現役並み所得者であっても、一定の基準・要件を満たす場合、窓口負担割合が1割又は2割になるケースがあります。

4. 後期高齢者医療制度の注意点

後期高齢者医療制度で通常は3割負担に該当しない場合でも、以下のような一時所得や課税所得などがあった場合には、該当する年は3割負担になる可能性があります。

  • 満期保険金を受け取った
  • 不動産の売却益があった
  • 一時的な役員報酬を受け取った

また、後期高齢者医療制度の自己負担割合の判定は、個人ではなく世帯単位で行われるため、同一世帯に3割負担の方が1人でもいると、その世帯のほかの被保険者も3割負担になることにも注意が必要です。

5. おわりに

後期高齢者医療制度の加入者は、医療機関の窓口で支払う自己負担割合が、所得に応じて1割・2割・3割のいずれかになります。

収入が年金のみの場合、単身世帯では年額383万円以上、二人以上世帯は年額520万円以上受給していると、原則として3割負担に該当します。

しかし、通常3割負担に該当しない場合でも、一時的に所得が上がった年には3割負担になる可能性もあることに注意が必要です。

高齢になると医療機関にかかる頻度も多くなる傾向があり、医療費の支払いが家計に大きな負担となりがちです。

高齢期の医療費に対応できるように、現役時代のうちから医療費も含めた老後資金を計画的に進めていきましょう。

参考資料

木内 菜穂子