4. 申請しなければ使えない支援制度。介護と医療・生活支援を正しく活用する
年齢を重ねるにつれて避けて通れないのが、健康状態の変化や介護の問題です。
公的制度を適切に活用することは、自身の暮らしを守るだけでなく、家族の安心にもつながります。ここでは、申請しなければ受け取れない「申請主義」の制度に焦点を当て、介護保険をはじめとする代表的な給付内容と注意点を整理します。
4.1 介護保険で利用できる給付
自宅での安全な暮らしを支える「住宅改修費支給」
要支援・要介護の認定を受けている場合、自宅内の危険を軽減するための改修費用について、介護保険から補助を受けることができます。
手すりの設置や段差解消、床材の変更、扉の交換、和式から洋式への便器交換などが対象となり、生涯で上限20万円まで支給されます。
原則として費用の9割が給付されますが、所得に応じて負担割合が変わる仕組みです。なお、要介護度が大きく変わった場合や転居時には、再度上限額が設定されるケースもあります。
見落としやすい申請ルールと手続きの注意点
住宅改修費で特に重要なのは「工事前の事前申請」が必須である点です。工事完了後の申請では給付対象外となるため、必ず事前に手続きを行う必要があります。
具体的な書類や流れは自治体ごとに異なるため、ケアマネジャーや地域包括支援センター、自治体窓口に確認しながら進めることが重要です。
4.2 医療・介護費の負担を軽減する制度
医療費の上限を設ける「高額療養費制度」
入院や手術などで医療費が高額になった場合、自己負担の上限を超えた分が払い戻される制度です。
年齢や所得に応じて上限額が設定されており、家計への影響を抑える仕組みとなっています。事前に「限度額適用認定証」を取得しておけば、医療機関での支払い自体を抑えることも可能で、取得が間に合わない場合でも後から申請して精算できます。
介護費の負担を抑える「高額介護サービス費」
介護保険サービスの利用料が一定額を超えた場合、その超過分が払い戻される制度です。
訪問介護やデイサービス、施設利用などが対象となり、所得区分に応じた上限が設けられています。
条件に該当すると自治体から案内が届くこともありますが、制度を理解していないと見逃す可能性があるため、利用状況の確認が欠かせません。
4.3 地域ごとに異なる支援制度
自治体独自の高齢者向け助成
国の制度とは別に、各自治体では高齢者向けの独自支援を用意しています。
医療費の助成や介護用品の購入補助、交通費支援など内容は多岐にわたり、地域によって条件や申請方法も異なります。こうした制度は自ら調べて申請しなければ利用できないケースが多いため、広報誌や自治体の公式情報を定期的に確認し、気になる制度は早めに相談することが大切です。
