6. 老後資金、いくら準備すれば安心?生活費から考える必要額
これまで見てきたモデルケースのように、65歳以上の無職世帯では、夫婦・単身いずれの場合も家計が毎月赤字になる傾向が見られます。
では、この不足分を補うためには、一体どれくらいの老後資金を準備しておく必要があるのでしょうか。
結論からいうと、必要な老後資金の額は一人ひとり異なります。
住居費の有無、健康状態、趣味や旅行にかける費用、また何歳まで働くかといった要因で家計は大きく変わるため、「誰にでも当てはまる一定の金額」というものは存在しません。
しかし、老後資金の計画を立てる上で、平均的な家計データを参考に不足額の目安を把握しておくことは非常に重要です。
例えば、単身世帯で毎月約3万円、夫婦世帯で約4万円の赤字が続くと仮定すると、年間の不足額はそれぞれ約36万円、約48万円にのぼります。
もし65歳から20年間この生活が続くと仮定すれば、単純計算でも数百万円単位の資金が必要になるかもしれません。
もちろん、退職金の有無やそれまでの貯蓄額、あるいは働き続けるかどうかによっても、実際の状況は大きく変わってきます。
だからこそ、平均的なデータを参考にしつつも、ご自身の年金見込み額や想定される生活費を基に、「自分にとって必要な老後資金」を早めに試算しておくことが大切です。
7. まとめ:年金制度と老後の家計を理解し、早めの準備を
この記事では、2026年度の年金支給額、厚生年金と国民年金の平均受給額、そして65歳以上世帯の家計実態について解説しました。
2026年度は年金額が引き上げられましたが、実際の平均受給額は厚生年金で約15万円、国民年金で約6万円となっており、個人差が大きいことがわかります。
さらに、総務省統計局「家計調査報告」によれば、65歳以上の無職世帯は夫婦・単身ともに支出が収入を上回り、毎月赤字に陥る傾向があります。
年金収入だけでは生活費をすべて賄うことが難しく、貯蓄を取り崩したり、他の収入源を確保したりして生活している世帯が少なくないのが現状です。
安心して老後を迎えるためには、「年金があるから安心」と安易に考えず、ご自身の年金受給見込み額や将来の生活費を早期に把握し、必要に応じて資産形成や家計の見直しに取り組むことが重要です。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」用語の説明
- LIMO 「国民年金と厚生年金「6月15日支給分から増額」いまどきシニアの平均年金月額一覧|夫婦・単身世帯のリアルな家計収支、年金だけで暮らす人の割合も解説」
マネー編集部年金班