5月も後半を過ぎ、初夏を感じる季節となりました。

5月の後半から6月頃には、「住民税決定通知書」が届きます。

住民税決定通知書は単に住民税額をお知らせするものではなく、医療費控除やふるさと納税の申告が正しくできているかを確認できる重要な書類です。

今回は、住民税決定通知書を確認する際に押さえておきたい基本のチェックポイント3つに加え、医療費控除やふるさと納税の申告をした人向けの見方についても詳しく解説します。

1. 「住民税決定通知書」とは?

住民税決定通知書とは、今年度の住民税額や控除額などについて記載されているものです。

そもそも住民税の支払い方法は、働き方によって異なります。

会社勤めの場合は給与から天引きされる(特別徴収)のに対し、自営業やフリーランスの人はご自身での納付が必要(普通徴収)です。

そのため、通知書の名称や受け取り時期・受け取り方法も、以下のように異なります。

  • 給与所得のみの人(会社員・公務員など):毎年5月中旬頃に勤務先に送付され、勤務先から受け取る
  • 給与所得以外の所得がある人(個人事業主・フリーランスなど):毎年6月上旬頃に納付書とあわせて自宅に届く

次章では、住民税決定通知書を受け取ったら確認したいポイントについて詳しく解説します。

2. 「住民税決定通知書」基本のチェックポイント3選!【働き方別】に解説

住民税決定通知書が届いたら、以下の3つのポイントをチェックしてみましょう。

  • 前年の総所得金額
  • 所得控除の合計額
  • 今年度の住民税額

ここでは大阪市のフォーマットを例に、働き方別の通知書の詳しい見方を紹介します。

2.1 会社員・公務員が受け取る通知書

住民税決定通知書(特別徴収)1/7

住民税決定通知書(特別徴収)

出所:大阪市「税額決定通知書の見方」

  • 前年の総所得金額:「総所得金額①」欄
  • 所得控除の合計額:「所得控除合計額②」欄
  • 今年度の住民税額:「差引納付額」欄

2.2 個人事業主・フリーランスなどが受け取る通知書

個人事業主・フリーランスなどが受け取る通知書は3枚に分かれており、合計所得金額と所得控除の合計額は「2枚目」に、今年度の住民税額は3枚目に記載されています。

〈2枚目〉

住民税決定通知書(普通徴収)2枚目2/7

住民税決定通知書(普通徴収)2枚目

出所:大阪市「市民税・府民税・森林環境税の通知書類」

  • 合計所得金額:「所得金額、課税標準額及び算出所得割額の内訳」の青枠(8)の合計
  • 所得控除の合計額:青枠(11)「所得控除額の内訳」にて確認

〈1枚目〉

住民税決定通知書(普通徴収)1枚目3/7

住民税決定通知書(普通徴収)1枚目

出所:大阪市「市民税・府民税・森林環境税の通知書類」

  • 本人が納付する普通徴収税額と各納期限:青枠(2)の「差引納付額」欄

3. 【医療費控除】【ふるさと納税】申告した人はここをチェック!

ここからは、医療費控除やふるさと納税の申告が反映されているかどうかを確認する方法について見ていきましょう。

引き続き、大阪市のフォーマットを例に解説します。

3.1 医療費控除

医療費控除は「所得控除」の1つです。

住民税決定通知書(特別徴収)1/7

住民税決定通知書(特別徴収)

出所:大阪市「税額決定通知書の見方」

会社員や公務員の人は、所得控除の内訳の「医療費」欄に、確定申告で計算した金額が記載されているか確認しましょう。

住民税決定通知書(普通徴収)2枚目2/7

住民税決定通知書(普通徴収)2枚目

出所:大阪市「市民税・府民税・森林環境税の通知書類」

自営業者やフリーランスの人が受け取る「市民税・府民税・森林環境税課税明細書」では、2枚目に記載されています。

3.2 ふるさと納税

ふるさと納税は「税額控除」の1つです。

「所得控除」は課税対象となる所得金額から差し引かれる控除であるのに対し、「税額控除」は税金そのものから差し引かれる控除です。

住民税決定通知書(特別徴収)1/7

住民税決定通知書(特別徴収)

出所:大阪市「税額決定通知書の見方」

ふるさと納税による控除額は、住民税決定通知書の「摘要欄」や「寄付金税額控除等」の記載から確認できます。通知書の様式は自治体によって異なります。

例えば大阪市の特別徴収の通知書では、ふるさと納税による控除額は「税額控除額⑤」の金額そのものではなく、左下の「摘要」欄で確認します。摘要欄には、「⑤には寄附金税額控除額○○円が含まれます」といった形で、寄附金税額控除額が具体的に記載されます。

なお、住宅ローン控除など他の税額控除を利用している場合は、通知書上の税額控除額だけでは、ふるさと納税による控除額を正確に判別できないことがあります。そのため、摘要欄の記載内容もあわせて確認するとよいでしょう。

住民税決定通知書(普通徴収)3枚目7/7

住民税決定通知書(普通徴収)3枚目

出所:大阪市「市民税・府民税・森林環境税の通知書類」

また、自営業者やフリーランスの人が受け取る「市民税・府民税・森林環境税課税明細書」では、3枚目の「税額控除額等」の「寄付金税額控除額」欄にて確認してください。

4. ふるさと納税のワンストップ特例が無効に?押さえておきたい注意点とは

「ふるさと納税でワンストップ特例制度を利用したのに反映されていない」という場合、その後に医療費控除の確定申告を行っていることが原因であるケースが多いです。

そもそもワンストップ特例とは、会社員や公務員などの給与所得者が確定申告なしでふるさと納税の寄付金控除を受けられる制度です。

しかし、ワンストップ特例制度を利用後に医療費控除などを理由として確定申告を行うと、先に利用したワンストップ特例が無効になります。

控除もれを防ぐため、医療費控除の手続き時には、ふるさと納税の寄付金控除についても忘れずに申告を行いましょう。

5. まとめ

住民税決定通知書では、医療費控除やふるさと納税の申告が正しくできているかをチェックできます。

本来受けられるはずの控除を無駄にしないよう、ポイントを押さえて確認しましょう。

また、申告をしたにもかかわらず控除額が反映されていない場合には、速やかに担当窓口に問い合わせてください。

参考資料

池田 夕華