「東芝の年収はどのくらいなのか」「上場廃止後の今、処遇水準はどう変化しているのか」と気になっていませんか。

日本を代表する大手電機メーカーである東芝は、日本産業パートナーズ主導のTOB(株式公開買付け)を経て2023年12月に上場廃止となり、現在は非上場企業として事業を継続しています。

本記事では、上場廃止前に提出された最後の有価証券報告書(2023年3月期)をもとに、平均年間給与や従業員数、過去5年間の業績推移といった処遇水準や経営実態をわかりやすく解説します。

この記事を読めば、東芝のリアルな年収データと非公開化に至った経緯が理解でき、就職・転職や資産形成を考えるうえでの参考情報として役立てられます。

ココがポイント
  • 平均年間給与は926万円超:2023年3月期の提出会社(単体)の平均年間給与は926万0703円。
  • 2023年12月に上場廃止:日本産業パートナーズ主導のTOBにより非公開化。有価証券報告書の提出は2023年3月期分が最後となっている。
  • 連結従業員数は10万人超:グループ全体では10万6648名が在籍し、エネルギーやインフラ、デバイスなど幅広い事業セグメントを展開している。

1. 東芝の平均年間給与はいくらか

株式会社東芝(提出会社単体)主要データ1/3

株式会社東芝(提出会社単体)主要データ

出所:株式会社東芝「有価証券報告書(第184期、2022年4月1日~2023年3月31日)」をもとにLIMO編集部作成

東芝(提出会社単体)の2023年3月31日時点での平均年間給与は926万0703円です。

また、従業員の平均年齢は46.1歳となっており、40歳代半ばを超えています。

平均勤続年数は19.8年となっています。

2. 東芝の従業員数は何人か

有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は、2023年3月31日時点で3712名です。

単体のセグメント別従業員数を見ると、事業セグメントに直接計上されているのは「その他」の660名のみで、残る3052名は「全社(共通)」に区分されています。

これは、東芝本体がグループ経営の中枢機能を担う組織へと性格を変化させていることを示しています。

また、連結の従業員数は10万6648名です。

セグメントごとの内訳は以下の通りです。

  • エネルギーシステムソリューション:1万4229名
  • インフラシステムソリューション:1万8971名
  • ビルソリューション:1万6018名
  • リテール&プリンティングソリューション:1万8875名
  • デバイス&ストレージソリューション:2万0753名
  • デジタルソリューション:7733名
  • その他:7017名
  • 全社(共通):3052名

株式会社東芝セグメント別従業員数2/3

株式会社東芝セグメント別従業員数

出所:株式会社東芝「有価証券報告書(第184期、2022年4月1日~2023年3月31日)」をもとにLIMO編集部作成

従業員数で見ると、発電や上下水道といった社会インフラを担う「インフラシステムソリューション」や、半導体・ストレージ関連の「デバイス&ストレージソリューション」に多くの人材が配置されていることがわかります。

3. 過去5年間の業績推移

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株式会社東芝の業績推移

出所:株式会社東芝「有価証券報告書(第184期、2022年4月1日~2023年3月31日)」をもとにLIMO編集部作成

東芝(連結)の業績推移についても見ておきましょう。

売上高は、2019年3月期の3兆6935億円をピークに減収が続き、2021年3月期には3兆0543億円まで落ち込みました。

その後は緩やかな回復基調にあるものの、2023年3月期は3兆3616億円と、2019年3月期の水準にはまだ届いていません。

営業利益は、2019年3月期の354億円を底に回復し、2022年3月期には1589億円まで拡大しました。

2023年3月期は1105億円とやや減少しています。

当社株主に帰属する当期純利益は、2019年3月期に1兆0132億円という突出した水準を記録しましたが、これはメモリ事業(現・キオクシアホールディングス)の売却など特殊要因が大きく影響したものです。

2020年3月期には1146億円の損失に転落したものの、その後は黒字を回復し、2023年3月期は1265億円の当期純利益となっています。

4. まとめにかえて

年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。

金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。

ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。

こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。

4.1 【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について

平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。

4.2 【ご参考】有価証券報告書とは

日本取引所グループによれば、金融商品取引法に基づく法定開示として、財務内容や事業・営業の概要を記した有価証券報告書を各地財務局に提出することが上場企業に義務付けられており、その内容は金融庁のEDINETで誰でも閲覧できるとされています。

5. 本記事の監修を終えて:新NISAで資産運用を行う元FP会社職員の監修者コメント

監修者画像
下村 美乃莉

有価証券報告書に示された「平均年収926万円」という数字は魅力的ですが、この背景には東芝が2023年12月に上場廃止となり、非上場企業として再出発したという大きな転機があることを押さえておく必要があります。

また、就職・転職の場面でこうしたデータを参考にする際は、単に金額の大小だけでなく、非公開化後の経営体制や事業ポートフォリオがどのように変化しているかにも目を向けることが大切です。特に、提出会社(単体)の従業員のほとんどが「全社(共通)」区分に集中している点は、東芝本体がグループ経営の中枢機能を担う持株会社的な組織へと変化しつつあることを示しており、実際の配属先によって業務内容や処遇の実態は大きく異なる可能性があります。

一方、投資家目線で見ると、東芝はすでに上場廃止となっているため、株式市場を通じた直接投資はできなくなりました。ただし、同社が発行する社債等を通じて間接的に関わりを持つ投資家にとっては、非公開化後の業績動向や事業再編の行方は引き続き注目に値します。2019年3月期に見られた大幅な純利益はメモリ事業の売却などの特殊要因によるものであり、こうした一時的な数字に惑わされず、営業利益や売上高といった本業の実力を示す指標を中長期的に見極める姿勢が、企業分析においては欠かせません。

参考資料

マネー編集部年収班